マネージャーになりたての頃は、基本的には仕事を持ったまま、マネージャーをする人が多いと思います。要するにプレイングマネージャーです。
私もプログラマー/システムエンジニアをしながらマネージャーをする、プレイングマネージャーから開始しました。
プレイングマネージャーに任命された時は、単純に今までの仕事にマネージメント業務が上乗せされることが多いので、どうしても時間が足りなくなります。
メンバーはあなたを頼りにします。あなたが忙しそうだと、メンバーも気を遣ってしまって、重大な問題が見過ごされます。
どうやってメンバーの仕事を見つつ、あなたの仕事をするのかが課題となります。
結局、最初は自分の仕事時間を確保するために、残業という形で取り組む人も多いです。
しかし、残業を前提に仕事を組むことはオススメできません。
プレイングマネージャーを定時時間内に終わらせる極意を解説します。
プレイングマネージャーが定時時間内で終わらせる極意
- メンバーの相談時間を予め確保しておく
- 緊急案件の時間を確保しておく
- 自分の仕事に使える時間は、上記2点を除いた時間であることを理解する
- 残業が多いプレイングマネージャーの人
メンバーの相談時間を予め確保しておく
あらかじめメンバーと関わる時間を確保しておくことが重要になります。
時間を確保するための極意を解説します。
メンバーとの時間を確保するための極意
- メンバーと定期的に会話する時間を決める
- チームミーティングの時間を決める
メンバーと定期的に会話する時間を決める
メンバーと定期的に会話をして、未然に問題を防止する仕組みを作ると、大きな問題にならず、結果的に大きな時間を使わないようになります。
具体的に私が必ず実践している会話するポイントを解説します。
メンバーと定期的に会話するポイント
- 毎日、朝にメンバーと15分のスタンドアップミーティング実施。
- 毎日、昼にメンバーと相談できる時間を30分確保。できるだけ同じ時間に。
- 毎週末にメンバーと1時間の振り返りを実施。
具体的に何を実施するのかを、これから解説します。
毎日、朝に15分のスタンドアップミーティング
私は毎日15分のスタンドアップミーティングを実施しています。
昔は本当にみんな集めて、立った状態で完結に進めていましたが、コロナ禍以降は実際は電話会議で実施しています。
スタンドアップミーティングの報告ポイントは以下に限定しています。
スタンドアップミーティングの報告ポイント
- 前日の予定に対しての達成状況と、今日の予定を言う。
- 予定に対して、実施する際の障害について説明する。
- マネージャーは障害に対して、どのように対処するかジャッジする。
- 時間厳守。課題・問題を議論することはしない。
スタンドアップミーティングの最大のポイントは、課題・問題を解決する場ではないことです。
時間を厳守して、必ず1人に割り当てられている時間を超過しないようにタイムキープすることが重要です。
課題・問題は別の時間を作る、もしくは昼の相談時間で相談するようにしましょう。
毎日、昼に30分の相談時間を確保する
プレイングマネージャーになると、常に相談を受けることができるとは限りません。
また、メンバーもあなたに気を遣って、相談することを躊躇していることもあります。
相談がないと、問題が大きくなる可能性があります。そのため、メンバーには必ず相談できるタイミングを毎日確保してください。
昼の相談時間を確保するためのポイントを解説します。
昼に30分の相談時間を確保するポイント
- 毎日できるだけ同じ時間を確保すること
- できるだけ、メンバーの自主性を重んじること
- 相談では怒らないこと(誰も相談してくれなくなります)
相談時間に気を付けるべきは、絶対に怒らないことです。
メンバーが相談に来て頂いたことに感謝の気持ちを忘れずに、できるだけメンバーの考えを尊重しましょう。
メンバーはあなたよりも、全体は見えていませんので、できるだけ俯瞰的にアドバイスしてください。
毎週末に1時間の振り返りをする
毎週末に振り返りを行うことは重要です。振り返るポイントを解説します。
毎週末の振り返りのポイント
- 予定通りに行ったのか、行かなかったのか?を明確にする
- 予定通りに行かなかったことに対して、プロセスを見直すアイデアを出す
- 次週の目標を数値的に明確にする
振り返りにポイントは、うまく行かなかったことに対して、なぜうまく行かなかったのかを考えて、問題があったプロセスに対して、すぐにできることから次週に改善するスピード感が重要です。
そのためには、次週の予定を立てる時に目標を数値化する必要があります。
あまりに定性的だと、うまく行ったのか、うまく行かなかったのかを判断するのが主観的になってしまうからです。
主観的な問題は、改善が難しいので、できるだけ客観的に見えるように数値化をしましょう。
たとえ途中段階でも、150項目中 25項目を実施するなどです。
これが最終納期に間に合うペースなのかを質問して見てください。実際はもっとやらないといけないかもしれません。
この1時間でメンバーが何をするのかを全て洗い出してください。
これで、あなたがメンバーに何をしているのかがわからないことを防ぎ、あなたがメンバーに何をしているのか?と聞かなければならない時間を短縮できます。
チームミーティングの時間を決める
チームミーティングは、主に事務的な伝達をメンバーにする時間です。
これは外すことができないので、チームミーティングの時間を確保して行きましょう。
チームミーティングの極意
- 事務的なものに限定。仕事の話に広げない
- 時間は15分〜30分ぐらいが適切。
緊急案件の時間を確保しておく
どうしても突発な緊急案件は発生するものです。
これを予定に組み込んでいないと、緊急案件=残業となってしまいます。
緊急案件の時間を確保する極意を解説します。
緊急案件の時間を確保する極意
- 自分の仕事に対して緊急案件時間を予想して入れておく
- メンバーの仕事に対して、緊急案件なのかを見極める。
- メンバーの仕事に対して緊急案件時間を予想して入れておく
自分の仕事に対して緊急案件時間を予想して入れておく
まずは、自分が持っている仕事に対して、緊急案件時間を入れておきましょう。
緊急案件として入れる時間は、あなたが知っているはずです。
どれぐらいの時間を緊急案件時間として入れておくポイントを説明します。
自分の仕事に対する緊急案件時間を算出するポイント
- 過去にどのぐらいの緊急案件が発生したかを把握しておく
- 現状の状況を考えて、緊急案件がどのぐらい発生するかを予測する
要するに、過去の緊急案件の内容と、かかった時間を把握することが重要です。
緊急案件を実施する時は、焦りもあり、振り返りを忘れがちですが、必ずかかった時間、なぜ発生したのかを明確にしておくことをオススメします。
その上で、現状と近しい状態の緊急案件をいくつか洗い出して、時間を予測しておくことが必要となります。その予想時間を、自分の仕事の緊急案件にかかる時間として、あらかじめ時間を確保しておきましょう。
メンバーの仕事に対して、緊急案件を見極める
メンバーは緊急案件が発生した場合に、必ずメンバーの基準で物事を言ってきます。
あなたがメンバーの言い分を鵜呑みにして、すぐに緊急と判断してはいけません。
メンバーが緊急だと言ってきた際の検討するポイントを説明します。
メンバーが緊急と言ってきた際の対応ポイント
- プロジェクト全体を考えて、緊急かつ重要な案件かどうかを判断する
- 緊急かつ重要な案件ではない場合は、基本的には先送り
先送りする際には、メンバーに安心感を与える必要があります。
メンバーはかなり焦っていると思います。先送りすることを決めた際に注意するポイントとしては、先に送っても問題ないことをメンバーに伝える必要があります。
もちろんメンバーに重要ではないと伝えるではいけません。
今やらなくても問題のない理由を誠実に伝えましょう。
メンバーの仕事に対して、緊急案件時間を予想して入れておく
メンバーが緊急かつ重要な案件を持ってくることもあります。
その時間は必ず確保する必要があります。そのため、緊急案件時間として予想をしておく必要があります。
メンバーの仕事に対して緊急案件時間を予想するポイント
- メンバーに依頼している仕事に対して、緊急・重要な案件を抽出しておく。
- 自分の仕事に置き換えて、+40%の時間を確保しておく
自分の仕事よりも +40%の時間を確保する目的は、メンバーの仕事の詳細を理解するための時間です。
確実にメンバーの方が詳細は詳しいですが、あなたよりも持っている情報量が少ないので、緊急案件に対応ができません。そのため、メンバーが持っている情報をあなたが理解する時間の確保が必要となります。
そのための +40%になります。
自分の業務に使える時間を把握しておく
自分の仕事で、追加されている最後の仕事はマネージャーとしての仕事です。
マネージャーとして、上位報告が重要な仕事となります。これは上位の方針もあり、削減することが難しい時間となります。
要するに、
あなたがプレイヤーとして使える時間=総労働時間 – メンバーの時間 – 緊急案件時間 – マネージャーの仕事となります。
総労働時間は、月160時間となります。
(週5日、4週間、1日8時間働いた場合の時間です)
この時間で、あなたの仕事を完成することができるかを考えましょう。
もしできない場合は、メンバーに依頼する、上司に報告して判断を仰ぐ必要があります。
プレイヤーとしてのあなたの仕事の極意
- 総労働時間があなたがプレイヤーとして使える時間ではない。
- もしあなたがプレイヤーとして使える時間内に完成できない場合、メンバーに依頼、上司に報告すること
まとめ
今回のまとめ
- あなたがプレイングマネージャーをする場合、あなたのプレイヤーとして使える時間を事前に算出しておきましょう。
- プレイヤーとして使える時間が足りない場合は、メンバーに移管できないかを考えて見ましょう。
- メンバーに移管できない場合は、上司に判断を仰ぎましょう。
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