失敗するべくして、失敗しているプロジェクトは多数あります。
私の経験した失敗から、原因を10個に絞ってお伝えさせて頂きます。
その10個の原因をしっかりと意識して計画することで、プロジェクトの失敗を抑えることができると思いますので、参考に読んでみてください。
失敗の原因がわかれば、あなたのプロジェクト失敗を減らすことができます。
失敗の原因を知る目的
- 失敗の原因を知り、今後のプロジェクトの失敗を防ぐ
- 先人の失敗を取り込み、自分のプロジェクトの失敗を防ぐ
- プロジェクトの失敗を繰り返してしまっている人
- プロマネって何に気を付ければ良いのかを迷っている人
プロジェクトが失敗する原因 10選
目的が不明確
プロジェクトの目的が不明確の場合、
チームの方向性がメンバー間で揃わずに、結果的に違う方向にメンバーが進みます。
プロジェクトの目的は、手段ではありません。
あくまでプロジェクトを成功した場合に、お客様に提供する価値のことを言います。
目的の例
- 安く、早く、美味しい料理を提供して、昼食時の回転率を200%にする
- お客様に使いやすいUIを提供して、製品の売り上げを20%上げること
- 〇〇開発者にもっと簡単に使えるツールを提供して開発効率を20%向上させる
目的は数値で判断できるものを規定する必要があります。
数値的に判断できない目的は、メンバーが違う方向に進む原因となりますので、しっかり目的を数値化しておきましょう。
新規点が多い
新規点が多いプロジェクトも失敗しやすい傾向にあります。
新しいプロジェクトに取り組む場合に、完全に1から新規で考えるプロマネも多いです。
しかし、新しいプロジェクトは失敗しやすい傾向にあります。
例えば、あなたはカフェを開こうと思っているとします。
カフェを開く場合に、例えば立地の検討から、内装、メニューの新設等を全部新規にやったと仮定すると大きなお金がかかります。だから例えば、居抜きという既存の建物を少し改装して始めるとか、小さなお金で開始した方が結果的に長く続く傾向にあると思います。
それはなぜか?
新規の場合にはコストや時間がかかりすぎるために、その間に体力が消耗してしまっていて、実際にカフェのメニューを高額に設定し、お客様が集まらずに、失敗して閉店するような流れになります。
プロジェクトも同じです。
どんなプロジェクトでも、完全に新規で実施すると多くの労力とコストがかかります。
あなたは、過去の知識を有効に使える可能性があります。過去の資産を探してみましょう。
新規点を減らすポイント
- 過去に同様のプロジェクトがないかを探す
- 違うプロジェクトでも、同じようなプロセスが使えないかを検討する
- 先人に聞いてみる
周りの人は知識を持っていることが多いので、できる限り新規点を減らした開発にしましょう。
改善のみであれば、多くの場合プロジェクトが失敗することはなくなります。
スケジュールの余裕がない
あなたはプロジェクトのスケジュールをどうやって決めていますか?
全てのスケジュールが成功した時のことしか考えずに、スケジュールを引く人がいます。
しかし、必ず全部のタスクが成功するとは限りません。また、途中でタスクが増えることも想定されます。
リスクを考えたスケジュールになっていますか?
スケジュールに余裕がない場合に、結果的にリカバリができずにスケジュールが形骸化してしまうことがありますので、しっかり余力を持つようにしましょう。
スケジュールを引く際のポイント
- 全てのタスクが成功することはないと思うこと
- 都度、確認するポイントと修正するポイントを設定して余力を持つこと
- 最後に品質担保のためのスケジュールを確保しておくこと
メンバーの実力が伴っていない
新しいプロジェクトの場合、メンバーの経験が足りない、スキルが足りない等が発生してしまって、思った通りの日程・品質にならない場合があります。
メンバーの実力が伴っていないプロジェクトの多くは失敗します。
どのようなメンバーがいればプロジェクトが成功するのかを解説します。
メンバー選定のポイント
- 経験者
- プロフェッショナル
- 素直に実直に対応する人
どうしても選定されたメンバーで実施する必要があるプロジェクトもあると思いますが、できるだけ能力が一致する人を選定、もしくは能力向上に意欲のある方を選定することが望ましいです。
コミュニケーション計画がされていない
コミュニケーションの計画がされていないプロジェクトも失敗する可能性が高いです。
関係者とのコミュニケーションをすることが、仕事を進めるうえで一番重要であると言っても過言ではありません。
コミュニケーションが面倒、連絡しても大丈夫かなぁ。と思わせてしまうと、メンバーがコミュニケーションを取らなくなり、結果的に遅れや課題が見えなくなり、プロジェクトが失敗してしまいます。
コミュニケーション計画を立案するポイントを解説します。
コミュニケーション計画のポイント
- デイリーで進捗と課題を確認すること
- ウィークリーで、毎週の目標の達成状況の確認、課題を確認して、次週の目標立案をすること
- 各プロマネ間で最低月1回は情報共有、業務依頼を実施するコミュニケーションを設けること
コミュニケーションのハードルを下げることで、プロジェクトの失敗を未然に防ぐことができます。
良品条件が不明確
プロジェクトの成功を判断するための条件が不明確の場合も、プロジェクトの失敗を招きます。
人は都合の良い情報のみを判断基準として進める傾向があります。
例えば、
来客数が増やすという基準を設定した際に、あなたはどう思いますか?
1か月の来客数が増えたのか、1年間で増やすのか、全時間帯で増やすのかの定義がありません。
あなたがプロマネの場合に、例えば来客数が減っているとなった場合に、どのような行動をしますか?
もし、全体の来客数が減ったとしても、深夜帯の来客数が少し増えていたら、来客数が増えたので成功と捉えるようなことはありませんか?
結局、自分の都合の良い情報のみを選択して、成功と判断していませんか?
それはプロジェクトの失敗となってしまいます。
良品条件を決めるポイント
- 誰が見ても良否の判断が同じになる条件を決める。
- 必ず数値的に判断できる基準を設ける。
進捗管理が甘い
進捗状況を理解していますか?
例えば、検討開始しました。〇日までに終わりますという報告を鵜呑みにしますか?
よくあるのが、〇日までに終わりますと言われて信じていると、
前日あたりに、やっぱり間に合いません。どうしましょう。。。と言われることです。
この段階で報告を受けても、リカバリができず、結果的にプロジェクトが失敗してしまいます。
プロジェクトを失敗しない進捗管理とは、どのような管理方法でしょうか?
進捗管理のコツは以下の通りです。
進捗管理のコツ
- どんな仕事も日単位で数値化する
- 日単位で数値化したものを、毎日実績数値を入れる
- 〇%の遅れが発生、〇件の遅れが発生した時に、アラートを上げることを決める
しっかりと進捗管理をして、プロジェクトを成功させましょう。
変更計画がない
プロジェクトは最初に計画した通りに遂行できることは滅多にありません。
途中でプロジェクトの変更はよくあることです。
ここで、最初に決めたから変更できませんと回答する人がいます。
でも、変更できないプロジェクトは失敗です。
時間が立てば、必ず変更は必要となります。変更を加味した上でプロジェクトの計画が立てられていないと、不要なものを作る、プロジェクトが中止されるという失敗になります。
変更をあらかじめ計画に入れておくことが重要です。
変更計画のポイント
- 例えばモノを作る際は、お客様が使う時に必ず変更要望が来る
- 自らベンチマークをして、時代に合ったことを実施しているか常にアンテナを高くしておく
- お客様に見せた後、ベンチマークをした後に変更ができるようにスケジュールをあらかじめ入れておく
確認工程が不足
プロジェクトを進めるにあたって、ステークホルダーへの確認工程が不足することがあります。
また、自分たちも作った製品を確認することもあると思います。
例えば、仕様通りだからといって確認したけど、修正できずに仕方がないとなったとしても、結果的には使えない製品が出来上がることがあります。使えない製品は失敗です。
自分で確認することも、もちろん必要ですが、
ステークホルダーが確認することも考慮して進める必要があります。
周りの要望があってのプロジェクトです。
プロジェクトを成功させるために、周りにしっかり意見を伺って進めましょう。
確認工程を設定するポイント
- 自分のみではなく、ステークホルダーの意見を確認する工程を入れること
- 確認した内容は、できる限り反映すること
- 反映する時間や工数をあらかじめ計画をしておくこと
ステークホルダーがあってのプロジェクトであることを忘れずに。
責任範囲が曖昧
責任範囲が曖昧になってしまうと、責任の擦り付け合いになります。
また、決めるべき人が決まっていないと、何も決まらずにプロジェクトが進みません。
よくあるのが、「一緒に考えましょう」です。
この一緒に考えましょうという言葉は危険です。
考えるのは一緒でも良いのですが、誰が責任を持って判断するのかは決めておくべきです。
最後に問題があった場合に、あなたが決めた、こっちの部署が決めた。一緒にやったじゃないか。という無駄な議論が続き、結果的にプロジェクトが失敗となってしまいます。
この責任分担を決めていないプロジェクトは失敗してしまいます。
責任分担を決めるポイント
- 成果物に対して、責任分担を決めること
- 誰が検討して、誰が決めるのかを明確にしておく
- プロセスごとに、誰が判断すれば次のステップに行くかを決める。
責任分担はしっかり決めておきましょう。
まとめ
今回のまとめ
- プロジェクトの失敗を防ぐには、失敗事例を学ぶこと
- 事例を学ぶと、失敗は10パターンに限定される
- 失敗がないように、しっかり計画・確認を進めましょう。
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