仕事でミスをして1億円の損害を出した!ミスにミスを重ねた体験談

あなたは仕事で1億円を超える大損害を出したことはありますか?

私は実際に1億円以上の損害を出してしまったことがあります。
その時の経験談と学びをお伝えいたします。

まず損害を出した当時の心境と今の心境です。

1億円以上の損害を出してしまったとき、自分はまさに地獄にいるような気分でした。朝起きるたびに、会社に行くことが辛く感じられました。プロジェクトの失敗は自分の責任であり、それが重く胸にのしかかってくる感覚は言葉で表現しきれないほどでした。

同僚や上司との対面は避けたくて仕方なく、彼らの視線が痛いほど感じました。何度も「どうしてこんなことになったんだろう」と自問自答する日々でした。誰かが私の立場になってくれれば、という思いが頭をよぎりました。自分はもうダメな人間だと感じ、仕事に対する自信も完全に失ってしまいました。

食欲がなくなり、眠れない日々が続きました。夜中に目が覚めると、悔恨の念が襲ってきて、再び眠りにつくことが難しかったです。食事も口にすることが苦痛で、体調も優れない状態が続きました。

しかし、私は退職をすることなく、今でも同じ職場でプロジェクトマネージャーの任をさせて頂いています。更に、この経験から多くのことを学び、再起するための一歩を踏み出すことができました。

この記事を書くきっかけは、2つあります。

この記事を書いたきっかけ

  • あなたが同じような失敗をしないようにするため
  • 同じようなミスをした人が立ち直るためのきっかけを掴んで頂くため

少しでもプロジェクトの失敗を防ぐための一翼を担えるよう、ご参考にして頂けると幸いです。

目次

どうやって立ち直ったのか?

挫折という試練を経て、信頼を取り戻し、自らを再構築することができれば、新たな未来が広がります。

困難を乗り越えた先には、より強く、賢く、成功への道を歩む自分が待っています。自分にできることを信じ、一歩ずつ着実に前進していきましょう。

大損害からどうやって立ち直ったのか?

  • 周囲の信頼できる人に相談した
  • 冷静になっていくつか書籍を読んでみた
  • 最後は時間が解決した

まずは周囲の信頼できる人に相談しよう

誰かにあなたの気持ちを話しましたか?

プロジェクトが失敗した場合は、まずは周囲の信頼できる人に相談することが大切です。
相手に素直な気持ちを伝えることで、より良いアドバイスや支援を受けることができます。

相談相手が見つからない場合でも、専門家に相談することも検討してみてください。
問題解決のためには、解決策を模索し、冷静に行動することが必要です。
相談を通じて得たアドバイスや意見を参考にして、より良い結果を目指しましょう。

相談するポイント

  • 相談相手の選定
    信頼できる経験者がいる場合は、彼らに相談してみるのが良いでしょう。
    経験豊富な人は、同じような経験を持っている可能性が高く、あなたの立場や心境を理解してくれることでしょう。もし、そのような人が見つからない場合は、学生時代の友人や職場の同僚、部下などにも相談してみることを検討しましょう。

  • 素直な気持ちを伝える
    相談する際には、自分の気持ちや状況を率直に伝えることが大切です。
    素直な気持ちで話すことで、相手もより親身に聞いてくれるでしょう。
    自分を偽らずに、本音で話すことが信頼関係を築く第一歩です。

  • 誰にも相談できない場合
    相談相手が見つからない場合でも、一人で悩みを抱え込まずに解決策を見つける方法があります。
    心理カウンセラーや専門家に相談することも選択肢の一つです。
    彼らは中立的な立場からあなたの話を聞いてくれ、適切なアドバイスをしてくれるでしょう。

冷静になって本を読んでみた

本は宝庫のようなもので、成功や挫折に関する知識が豊富に詰まっています。他者の経験から学び、同じ轍を踏まずに未来に向けて前進できます。また、さまざまな著者の視点やアプローチを知ることで、自らの課題に対する新たなアイディアが浮かぶ可能性があります。ただし、適切な本を見つけるまでが課題。適当なアドバイスを得るためには、信頼性の高い書籍を見極める必要があります。

そこで私がおススメする書籍は、

鈍感力 (著者 : 渡辺淳一)

です。

特に3章の「血をさらさらと流すために」は、
ダメな人間だ!と思うようになってしまった私の心を少し軽くしてくれました。

最後は時間が解決してくれる

あなたは1年前に悩んでたことを覚えていますか?

結局のところ、最後は大損害出したのも、今では反省するべき話ですが、心配や不安はなくなっています。プロジェクトの失敗は痛みを伴いますが、その中には成長と新たな可能性が待っています。時間をかけ、冷静に過去を振り返りながら、立ち直りへの道を進んでいきましょう。

自分を許すことから始める

失敗は誰にでもありえるものであり、自分を責め続けることで解決は進みません。過ちを受け入れ、前向きな方向に進むためには、まずは自分に対する優しさが必要です。

客観的に見る

時間はクリエイティブな解決策を生む力を持っています。一度冷静な状態になり、過去の出来事を客観的に見つめることで、新しいアイディアや戦略が浮かび上がることがあります。焦らずに時間の流れを待つことで、問題に新たな光が差し込むこともあります。

1億円の損害を出した背景

私が1億円の損害を出したときに、何が起こったのかを解説します。

最初のミスは小さなことだった

当時の私は製品のグローバル展開に向けた開発プロジェクトを担当していました。
グローバル向けの開発に必要なものは、海外の人でもわかるように翻訳業務が必要となります。

今回のミスの内容は以下のようになります。

翻訳を受け取った後で検査をしているときに、誤翻訳を2件見つけました
本件はすぐに修正しました。

しかし、2件以外に誤翻訳があるのではないかということで、他の約3,000語も誤翻訳がないか心配となりました。
ただ、ミスの焦りもあり、表に出た2件の誤翻訳の問題に対応しつつ、原因の分析も終わっていないのにも関わらず他に誤訳がないかを調査を始めました。

ミスを取り返すために、大きなお金をかけた

最初に、製品の翻訳に対して慎重なチェックを行うことを決断しました。以前の翻訳会社に対する不信感から、別の信頼性の高い翻訳会社に依頼しました。

新たな翻訳会社に見積もりを依頼すると、5,000万円の費用がかかることが判明しました。それでも私は、ミスを修正したい!」という情熱で、上司の承認を得てプロジェクトを進めました。

承認が取れると、翻訳会社に仕事を委託しました。しかし、丸投げした結果、チェックが中途半端であり、契約上の問題が発生しました。原因は、ゴールの品質を明確に設定していなかったことにありました。

中途半端では受け入れられないと考え、チェックの観点や最終的なゴールの基準を作成し、再度翻訳会社に依頼し、追加で2,000万円を支払いました。

しかし、この会社では不安を感じ、別の翻訳会社に確認を依頼しました。その結果、約3000万円の費用が発生しました。

結局、時間と労力をかけつつも、不安を解消することが最優先でした。

でも、期限やコストが守れずに、他の方法を取った

結局、1億円かけた修正プロジェクトは何も改善しないまま終わりました。

  • 期限が切れていたが、何とかしなければならないと思いが強く、どんどん時間もお金もかかってしまった。
  • 期限は切れていたが、次の機会があると思って進めてしまっていたが、結果的に次の機会はなかった。
  • 品質、期限、コストのどれが優先順位かを確認が取れていなかったので、期限の優先度が低かった。

結局、調査は期限内に終わらずに、そのままにして元のプロジェクトを進めることになってしまいました。
調査にかけた約1億円は水の泡となってしまいました。

なぜ損害を出すまで気づかなかったのか?

後になってみると、なぜ最初や途中で気付かなかったのかが理解できませんでした。
しかし、振り返ってみると3つの要因があると考えています。

  • ミスをしてしまったので、すぐにリカバリをしなければならないという焦り
  • 上司や関係者とのコミュニケーションが不足していた
  • ミスを見直すためのゴールの設定がされず、行き当たりばったりの対応となっていた

最初のミスで対策を焦ってしまった

最初の挫折は、初めてのミスによって冷静さを失い、焦って対策を急いでしまったことにあります。対策は総てをやれば解決できると思い込んでしまいました。

さらに、上司への報告も、ミスが出たことを報告する際に翻訳会社に問題があると断定してしまいました。主観的な報告が事実でなかったため、上司も熱意に負けた感がありました。他責にしがちで、原因特定を怠って進めようとしました

上司も完璧ではないので、判断材料がない状態でそれっぽい対策案を提案すると、誤った判断に気づかないこともあります。この時は上司の責任にしようとも思いましたが、思い返せば自分に原因があったことを認識しました。

ミスを取り返すことばかりで、関係者とのコミュニケーションに問題があった

2つ目の原因は、関係者とのコミュニケーションを怠ったことにあります。この結果、周りが見えず、孤立して計画を進めてしまいました

「とにかく修正するんだ!」という焦りから、製品全体のスケジュールを見失ってしまったのが課題でした。

ミスを犯すと、周りに頼ることが怖くなりがちです。しかし、しっかりと周りと情報共有をし、協力することが重要です。

ミスを取り返すためのゴール設定ができていなかった

3つ目の原因は、明確なゴールを設定せず、とにかく進めようとしたことです。

ゴール設定の不足は、通常、追加の時間や費用がかかります。この時の失敗では、追加の時間や費用が無駄になり、かなり大きな金額が動いていました。後戻りができず、プロジェクトが課金ゲームのようになっていました。

ミスを犯した時ほど、やみくもに実施せずに冷静に判断し、ゴールを明確に設定することが重要です。

このミスで私が得られたこと

ミスはしっかりと反省して、次に活かしていくことが大事です。

大損害を防ぐための3つの施策

  • 冷静、かつ 客観的なコミュニケーションを取り、第3者目線も入れること
  • ゴールの設定は確実に、できれば数値的に実行すること
  • 最終工程までのスケジュールを立案すること

大きな損害を与える結果となりましたが、自分自身では多くを学び、大きな成長の一歩になったと感じています。皆様も大きなミスから小さなミスを発生させたことはあると思います。人間だからミスをすることもありますので、ミスはミスとして反省はするべきですが、しっかり次に同じようなミスをしないようにしていきましょう。

ミスをした際には、とにかく焦らずに上司・関係者と議論すること

上司や関係者に正確な情報を伝え、しっかりと議論をすることがプロジェクト成功の鍵です。

この際、主観的な情報ではなく、事実をベースにした話をすることが不可欠です。適切なアドバイスや協力を得るためには、正確な情報が必要です。

ミスが発生した際は、冷静になり、感情的にならずに事実を報告しましょう。上司や関係者は適格なアドバイスを提供し、周りも協力が得られるようになります。

学びのポイント

  • リーダーシップは正確な情報共有から始まります。主観的な情報ではなく、事実をもとに議論することが重要です。
  • ミスが発生した場合も冷静になり、感情的にならずに事実を正確に伝えることで、適切なサポートを得ることができます。

ミスをした場合の報告方法は、以下の記事を参考にしてください。

ミスをした時にこそ、ゴールを明確にして確実に実施すること

ミスが発生した際は、必ず数値的なゴールを設定することが重要です。

数値化することは最も重要なステップです。なぜなら、数値化ができない基準は存在しないからです。時間的な基準や品質的な基準を明確に設定しましょう。

もしもそれでも間に合わない場合は、周りを巻き込んだり、何かを諦めたり、期限を延ばしてもらったりするなどの対策が必要です。

とにかく、ゴールを設定し、計画を立て、確実に仕事を進めることが成功への近道です。

学びのポイント

  • ミス発生時には具体的で数値的なゴールを設定することが対策の出発点です。
  • 数値化することで、明確な基準を持つことができ、計画を効果的に進める手助けになります。
  • 時間的な基準や品質的な基準を設定し、柔軟な対策を検討することが大切です。

お客様の手元に届くまでの日程を計画すること

最終工程までの計画を立てることは必須です。

製品がお客様の手元に届くまでを考慮し、日程をしっかりと計画しましょう。自分の担当範囲だけでなく、全体の計画との整合性を確認し、必要に応じて見直しを行いましょう。

最終工程を意識した計画は、プロジェクトの成功に向けて不可欠です。

学びのポイント

  • 最終工程までの計画を見据えることは、プロジェクトの成功に直結します。
  • 自分の担当範囲だけでなく、全体の計画にマッチしているか確認し、必要に応じて計画の見直しを行うことが重要です。
  • 最終目標を忘れずに、計画を立てることで、成功への道筋が明確になります。

まとめ

仕事で犯したミスが次第に膨れ上がり、ついには1億円の損害をもたらしてしまった。この連鎖の中で私は多くのことを学び、成長する機会を得た

最初のミスが起きた際、冷静な判断を欠き焦りが生じ、その結果、計画の見直しを怠った。この初めてのミスが後続のミスを誘発し、問題は拡大していった。主観的な報告、コミュニケーションの不足、ゴールの不明確さなど、さまざまな要因が絡んで損害が拡大した。

しかし、この経験から得た教訓も多いです。ミスが生じたら冷静に対処し、感情的な判断を避けることの重要性、正確な情報共有とコミュニケーションの大切さ、数値的なゴールの明確さ、計画の最終工程までの見通しを持つことが成功の鍵であることを痛感しました。

この経験は痛みと共に、成熟と学びの機会でもありました。これらの教訓を胸に、より効果的なプロジェクト管理に取り組んでいます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次