プロジェクトマネージャーに任命されたけど、何をしたら良いのかわからないです。
プロジェクトマネージャーにも基本動作(ルール)が存在します。
まず基本動作とは何かを理解しましょう。
プロジェクトマネージャーは、プロマネのルール(基本動作)と業界の知識の両方を理解する必要があるので、多くの知識が必要と言われています。
やっぱりプロジェクトマネージャーは大変な仕事ですね。
ただ、プロジェクトマネージャーのルールは一度理解すると、様々なプロジェクトで活用できます。
このサイトでわかること
- プロジェクトマネジメントの基本動作(ルール)を知り、プロジェクトマネージャーとして何をするのかがわかる
基本動作(ルール)を理解して、プロジェクトを成功に導きましょう!
プロジェクトマネジメントの基本動作(ルール)
プロジェクトマネジメントの基本動作は、プロジェクト管理に関する知識やノウハウを体系的にまとめた PMBOKがあります。
PMBOKはプロジェクトマネジメントのガイドラインになりますので、PMBOKを理解することでプロジェクトマネジメントの基本動作(ルール)がわかります。
PMBOKとは?
PMBOKは、Project Management Body Of Knowledgeの略です。
PMBOKとは?
PMBOKは、プロジェクトマネジメントに関連する基本的な知識やプロセス、ツール、テクニックなどを包括的にまとめています。
また、国際標準化機構(ISO)によっても採用され、世界中のプロジェクトマネジメントのプロフェッショナルや組織によって広く使用されています。
プロジェクトマネジメントのプロセスを5大プロセス群(立ち上げ、計画、実行、監視・コントロール、終結)に分類しており、それぞれのプロセスでの実施内容や成果物を詳細に定義しています。
また、プロジェクトマネジメントを10の知識エリアに分類して、それぞれの知識エリアにおけるプロセスやポイントを定義しています。
プロセス群と知識エリアの中に、49のスキルがあります。そのスキルに従って行動すれば良いわけです。
プロセス群/知識エリア | 立ち上げ | 計画 | 実行 | 監視・ コントロール | 終結 |
---|---|---|---|---|---|
統合・マネジメント | ・プロジェクト憲章の作成 | ・プロジェクトマネジメント計画書の作成 | ・プロジェクトの作業の指揮マネジメント ・プロジェクト知識のマネジメント | ・プロジェクト作業の監視/コントロール ・統合変更管理 | ・プロジェクトやフェーズの終結 |
スコープ・マネジメント | ・スコープマネジメントの計画 ・要求事項の収集 ・スコープの定義 ・WBSの作成 | ・スコープの妥当性確認 ・スコープのコントロール | |||
スケジュール・マネジメント | ・スケジュールマネジメントの計画 ・アクティビティの定義 ・アクティビティの順序設定 ・アクティビティ所要時間の見積もり ・スケジュールの作成 | ・スケジュールのコントロール | |||
コスト・マネジメント | ・コストマネジメントの計画 ・コストの見積もり ・予算の設定 | ・コストのコントロール | |||
品質・マネジメント | ・品質マネジメントの計画 | ・品質のマネジメント | ・品質のコントロール | ||
資源・マネジメント | ・資源マネジメントの計画 ・アクティビティ資源の見積もり | ・資源の獲得 ・チームの育成 ・チームのマネジメント | ・資源のコントロール | ||
コミュニケーション・マネジメント | ・コミュニケーションマネジメントの計画 | ・コミュニケーションのマネジメント | ・コミュニケーションの監視 | ||
リスク・マネジメント | ・リスクマネジメントの計画 ・リスクの特定 ・リスクの定性的分析 ・リスクの定量的分析 ・リスク対応の計画 | ・リスク対応策の実行 | ・リスクの監視 | ||
調達・マネジメント | ・調達マネジメントの計画 | ・調達の実行 | ・調達のコントロール | ||
ステークホルダー・マネジメント | ・ステークホルダーの特定 | ・ステークホルダー・エンゲージメントの計画 | ・ステークホルダーエンゲージメントのマネジメント | ・ステークホルダーエンゲージメントの監視 |
もっと詳細を知りたい方は、PMBOKガイドをご参照ください。
動画で簡単に見たい人は、以下の動画はおススメです。
プロジェクトを開始する時や途中でも、私は何度か繰り返し動画を見て、常にマネジメントを意識するバイブルになっています。
ただし、動画はPMBOK 第7版になっています。第7版は原理・原則の定義になっており、プロジェクトマネジメント初心者には難しいと思います。
以下の記事は、PMBOK 第6版の内容に沿っています。こちらはプロセスベースになるので、初心者でもイメージしやすいです。
もしよろしければ、以下の記事を読んで興味があれば、動画視聴で更なるレベルアップを目指しましょう!
5つのプロセス群とは?
PMBOK®(ピンボック)はプロジェクトのプロセス群を大きく5つに分けています。
各プロセス群の進め方、達成基準、ツールや技法、成果物までが定義されています。
プロジェクトのスタートを切るプロセスです。
このフェーズでは、目的、予算、ステークホルダーなどの特定を行います。
プロジェクト憲章に基づき、スコープ、タスク、メンバーの洗い出し等を実施し、プロジェクトの具体的な計画を立てるプロセスです。
立案した計画に基づいて実際にプロジェクトを実行するプロセスです。
実行内容が計画通りに進めているか、品質に問題がないか確認をして、問題があれば修正を行うプロセスです。
成果物を納品し、プロジェクトを終了させるプロセスです。
立ち上げプロセス
立ち上げプロセスの目的:
プロジェクトの主要関係者にプロジェクトを開始するための承認を得ること!
プロセス群/知識エリア | 立ち上げ |
---|---|
統合・マネジメント | ・プロジェクト憲章の作成 |
ステークホルダー・マネジメント | ・ステークホルダーの特定 |
ステークホルダーの特定
ステークホルダーを特定する意義:
ステークホルダーが満足すれば、プロジェクトは成功!
”ステークホルダーが満足すれば、プロジェクトは成功!”は、プロジェクトを行う大前提なので、忘れないようにしましょう。
ステークホルダーとは、直接的または間接的に影響を受ける利害関係者のことです。
ステークホルダー | 役割・貢献 |
---|---|
プロジェクトマネージャー | プロジェクトを指揮する。プロジェクト作業の計画策定、監視・コントロールを実施して、文書化や報告を行う義務を持つ |
スポンサー (上司や顧客の代表者等) | プロジェクトが先に進むための承認を実施できる。プロジェクトマネージャーと連携してプロジェクトの方向を定めて監視する。 組織の中では、プロジェクトを擁護してくれる人。プロジェクト憲章を承認するのは通常はスポンサーの役割となる。 |
中核チーム | プロジェクトの実行のために、スキル・専門能力や労力を提供する。計画策定や作業の見積もりの支援者でもある。 |
顧客(社内・社外含む) | プロジェクトの成果物を使う人や組織。プロジェクトの要求内容を決めて、資金を提供して、マイルストーンと成果物の達成状況をチェックする。 最終的にプロジェクトの成果物を最終的に受け入れする役割となる。 |
プロジェクトを開始する前に、ステークホルダーを特定しておくことで、事前準備がスムーズに行うことができます。
プロジェクト憲章の作成
プロジェクト憲章とは?
プロジェクトの企画書
プロジェクトを開始する時に、主要なステークホルダーにプロジェクトを開始することの承認をもらうためのドキュメントになります。
プロジェクト憲章を作成する目的
- プロジェクトの開始を文章で正式に認可をもらうこと
- プロジェクトマネージャーに権限を与えることを文書で明らかにすること
目的を達成するためのプロジェクト憲章を作成する必要があります。
プロジェクト憲章に書く内容とは?
プロジェクト憲章とは、要するに正式に認可するための文書になります。
プロジェクトにより、多少記載内容は変わるとは思いますが、代表的なものは以下となります。
プロジェクト憲章の記載内容:
- プロジェクトの目的
なぜこのプロジェクトを実施するのか? - プロジェクトのゴール
プロジェクトの成功を測定するための測定可能な目標 - プロジェクトの前提条件・制約条件
プロジェクトを進める上での制約や前提 - マイルストーン・スケジュール
いつまでに、どのように進めるのか - 予算
どの程度費用をかけられるのか - リスク
立ち上げ時点で想定できるリスクとはどのようなものがあるのか? - プロジェクトマネージャー
責任者となるプロジェクトマネージャーは誰か、責任範囲はどの程度か?
プロジェクト憲章を認可してもらうことで、公式にプロジェクトが開始、及び プロジェクトマネージャーとして正式に任命されることになります。
プロジェクト憲章を作成するときの注意点
上記を全部実施すると、時間がかかりすぎるのでは?
全部を完璧に明記しようとすると、いつまでもプロジェクトが開始できないことになります。
PMBOKの規定では、随時状況を監視・コントロールをしながら計画を変更する考えを含んでいます。
最初から完璧を目指すのではなく、把握可能なものから作成しましょう。
プロジェクト憲章作成時の注意点!
完璧を目指して開始できないは本末転倒!
計画プロセス
計画プロセスの目的:
計画(段取り)を実施して、無駄な業務・時間を排除して、期限を効率的に守るため
プロセス群/知識エリア | 計画 |
---|---|
統合・マネジメント | ・プロジェクトマネジメント計画書の作成 |
スコープ・マネジメント | ・スコープマネジメントの計画 ・要求事項の収集 ・スコープの定義 ・WBSの作成 |
スケジュール・マネジメント | ・スケジュールマネジメントの計画 ・アクティビティの定義 ・アクティビティの順序設定 ・アクティビティ所要時間の見積もり ・スケジュールの作成 |
コスト・マネジメント | ・コストマネジメントの計画 ・コストの見積もり ・予算の設定 |
品質・マネジメント | ・品質マネジメントの計画 |
資源・マネジメント | ・資源マネジメントの計画 ・アクティビティ資源の見積もり |
コミュニケーション・マネジメント | ・コミュニケーションマネジメントの計画 |
リスク・マネジメント | ・リスクマネジメントの計画 ・リスクの特定 ・リスクの定性的分析 ・リスクの定量的分析 ・リスク対応の計画 |
調達・マネジメント | ・調達マネジメントの計画 |
ステークホルダー・マネジメント | ・ステークホルダー・エンゲージメントの計画 |
スコープマネジメント
計画プロセスのスコープマネジメントには、4つのスキルが設定されています。
- スコープマネジメントの計画
- 要求事項の収集
- スコープの定義
- WBSの作成
スコープマネジメントは?
やることと、やらないことを明確にすること
顧客の目的を達成するために必要な成果物を明らかにし、期間や予算、品質に応じた作業範囲を管理するためにスコープマネジメントが必要になります。
スコープマネジメントをする目的は、以下を回避するためになります。
・多大な要件変更
・過剰な支出
・無駄な時間
・期限の超過
スコープマネジメントの計画
スコープマネジメントの計画とは、どうやってスコープを定義するかを示します。
スコープ・マネジメント計画とは、スコープの定義や文書化、検証、マネジメントの方針を作成するプロセスです。
スコープマネジメント計画では、後のプロセスであるスコープの定義や検証をどのように実施するかを示したガイダンスの役割を果たします。
要求事項の収集
要求事項収集は、顧客やスポンサー等のステークホルダーのニーズを文書化するプロセスです。
成果物が出てから、顧客が後から追加要求をしてきて、本当に困ります。
計画の段階で、顧客の要求事項を収集できてましたか?
要求事項収集は、後だしじゃんけんを極力防ぐことが目的です。
でも、プロジェクト憲章に書いていますが。。。
プロジェクト憲章は基本的な要求のみなので、プロジェクト憲章のみでは不十分です。
じゃぁどうすれば良いですか?
ニーズはステークホルダーが持っているので、ステークホルダーにインタビューしましょう。
要求事項はステークホルダーにインタビューをする
ステークホルダーが多くの要求を言ってます。例えば、以下のようなことです。
・もっと機能を付けたい
・このサプライヤを使いたい
・進捗は毎日報告して欲しい
・コスト下がらない?
要求を確認した後で、プロジェクトの目的に沿わないものは排除してください。
もちろん、ステークホルダーに理由を説明して、合意をしてもらう必要があることは注意してください。
ステークホルダーは好き勝手に要求は出すもの!
だから、プロジェクトの目的は常に意識して、目的に沿わない要求は排除!
スコープの定義
要求事尾項をまとめたので、プロジェクトの進め方を考えたいと思います。
ちょっと待って!
要求事項を踏まえて、このプロジェクトのスコープを決める必要があります。
プロジェクトスコープは、プロジェクト・スコープ記述書にまとめましょう!
でも、プロジェクトスコープには何をまとめれば良いかわからないのですが・・・。
プロジェクト・スコープ記述書に書く内容は業種や担当するフェーズにより異なるので、統一のフォーマットはありません。
しかし、最低限書くべき内容は以下のような項目になります。
プロジェクト・スコープの記述書に最低限書くべき内容
- 成果物スコープ
・どのような成果物を提供するか? - プロジェクトスコープ
・成果物を生み出す活動範囲
・マネジメントの活動範囲 - 受入基準
・どのレベルまで達成する必要があるのか
プロジェクト・スコープ記述書も作成したし、これで次のステップに行けますね。
第3者の目線を入れましたか?
顧客の関係部門や開発担当者等の専門家にも意見を聞いて、ブラッシュアップしましょう。
プロジェクト・スコープ記述書は、専門家を入れて最終合意をしておきましょう!
WBSの作成
今更ですが、WBSの正式名称はご存じでしょうか?
Work Breakdown Structureになります。
日本語だと、
作業分解構成図
になります。
作業分解構成図と聞いても、何を書けば良いのかわからないです。
では、WBSの具体的な洗い出し方を解説します。
WBSの作成方法は様々ありますが、最終成果物から構成要素を分解し、最終的に分解された構成要素を作るために必要な活動を洗い出します。
WBSの作成方法(例)
- 最終成果物をTOPに書く
- 成果物を分解する
- 分解された成果物の構成要素を洗い出す
- 構成要素を作成するための活動内容(アクティビティ)を洗い出す
具体的に、雑誌の発行を元に見てみましょう。
WBS作成(例:雑誌の発行)
- 最終成果物をTOPに書く
⇒ 月間〇〇 4月号特大版 - 成果物を分解する
⇒ 表紙・目次・記事1・記事2… - 分解された成果物の構成要素を洗い出す
⇒ 表紙の場合は、写真・デザイン・価格… - 構成要素を作成するための活動を洗い出す
⇒ 写真の場合は、モデル選定・モデル事務所との交渉、写真家の選定、交渉…
WBSを作成することで、次のスケジュール・マネジメントが出来るようになります。
WBSはタスクを洗い出す活動である!
スケジュール・マネジメント
計画プロセスのスケジュール・マネジメントには、5つのスキルが設定されています。
- スケジュールマネジメントの計画
- アクティビティの定義
- アクティビティの順序設定
- アクティビティ所要時間の見積もり
- スケジュールの作成
プロジェクト・スケジュール・マネジメントとは、
・プロジェクト全体のスケジュール作成
・スケジュールの管理
を指します。
スケジュール・マネジメントとは? 期限内に終わらせるために、スケジュール作成・管理を行うこと
どうやって、スケジュール作成・管理を行うのでしょうか?
スケジュール作成・管理を行う方法として、最初に作成するのは、プロジェクトマネジメント計画書です。
これから、プロジェクトマネジメント計画書の作成方法について、説明をしていきます。
スケジュールマネジメントの計画
スケジュールマネジメントの計画では、以下のようなことを書くのが一般的です。
スケジュールマネジメントの計画でやること
- スケジュールの作成方法
- スケジュールに対する考え方
これでは何をすれば良いのかわからないですが…。
では、具体的に説明をしていきましょう。
No.1 : スケジュールの作成方法
- スケジュールを作成するツールを選定する
例えば、Backlog、Asana、Microsoft Project等があります。 - スケジュールに入れる項目を決める
成果物、アクティビティ、所要時間はMust。
アクティビティの実施者や責任者等、プロジェクトに必要な項目を洗い出す
作成方法はプロジェクトによって異なりますので、自分に合った形を考えてみてください。
No.2 : スケジュールに対する考え方をまとめる
- 各アクティビティの粒度をどこまで詳細化するか?
- スケジュールの制約条件
- どこまでの関係者とスケジュールを共有するのか?
粒度や制約条件はプロジェクトの規模、内容により異なりますので、関係者と協議してください。
アクティビティの定義
アクティビティは、すでにWBSで定義しています。
では、アクティビティの定義はすでに終わっていますね。
まだ不足している情報がありますので、追加で検討が必要です。
アクティビティの定義で追加する情報
- アクティビティ毎の担当者、もしくは担当可能なスキルレベル
アクティビティを実施する担当者が決まっている場合には、担当者を記入してください。まだ担当者が決まっていない場合には、担当するのに必要なスキルレベルを記載しておきましょう。 - アクティビティ毎に決まっている期限
もしアクティビティの実行に期限がある場合には、その期限を明確にします。
期限には2種類あります。1種類目は、日付ベースの期限です。〇月〇日までに〇というアクティビティを終わらせる必要があるという内容です。
2種類目は、前後関係での期限です。
例えば、雑誌の表紙を飾る写真を撮る場合には、モデル事務所との契約は撮影日の1か月前に終了しておく必要がある等です。
アクティビティの定義は、WBSの活動内容+担当者+期限になります。
アクティビティの順序設定
アクティビティの順序設定は、アクティビティ間の関係に注目して、作業順序を設定するプロセスになります。
順序設定時に確認するポイント
- アクティビティの前後関係
アクティビティ毎にどちらを先に実施するのかを確認
(例)例えば表紙の写真を撮るのが先か、デザインが先か。 - アクティビティの依存関係
先行タスクが終了しないと次の工程に行けないといった依存関係
(例)写真を撮る前に、写真を撮るスタジオやモデルを決める。 - アクティビティの優先順位
どちらが重要なのかを見極めること
(例)表紙のデザインよりも記事の内容が優先等。
アクティビティの順序設定は前後関係・依存関係・優先順位を元に決めましょう。
アクティビティ所要時間の見積もり
いつもタスクの所要時間の見積もりが甘くて、結果的にプロジェクトの遅延が発生しています。
所要時間の見積もりは、様々な方法がありますが、私は三点見積もりを使うことが多いです。
三点見積もりとは?
最頻値・楽観値・悲観値を用いて推測する手段
最頻値 | 過去の同様プロジェクトや経験をもとに算出した実際に予想される値。要するにいつもの時間 |
楽観値 | 全ての事象が円滑に進んだ場合の期待値。要するに最速の時間 |
悲観値 | 悪条件が重なることで、円滑にアクティビティが進まなかった場合の値。要するに最長の時間 |
見積もり時間を計測する計算式は、
平均値:(悲観値+4×最頻値+楽観値)÷6
分散:〔(悲観値-楽観値)÷6〕の2乗
標準偏差:分散の平方根
見積もりとして予想される日数は?
平均値:(24+10×4+5)÷6=11.5日 (最頻値 +1.5日)
値の信頼度は?
分散:[ (24-5) ÷ 6] の2乗 = 約10
標準偏差:10の平方根 = 約3.2
平均値±標準偏差で収まる可能性 68%
平均値±標準偏差×2で収まる可能性 95%
私はいつも、この平均値+標準偏差×2で計算しています。
そのため、
今回の見積もりは 11.5+(3.2×2) = 17.9日(最頻値 + 7.9日)
最頻値のみで見積もりしていました。見積もりのやり方を見直そうと思います。
1つのアクティビティの遅れが、依存関係にあるアクティビティにも影響して、結果全体が遅れることもありますので、この見積時間の算出は大事になります。
説明できる見積とは、裏付けされた根拠が必要である。
三点見積もりで根拠のある見積もりを!
スケジュールの作成
いよいよ、スケジュールの作成段階ですね。
スケジュールマネジメントの計画時に決めた方法でスケジュールを作成していきましょう。
おススメはガントチャートを作成する方法です。
ガントチャートのイメージ (引用元 : Backlog)
これが、以後のタイムマネジメントのベースになりますので、主要なステークホルダーと合意をしておきましょう。
コスト・マネジメント
計画プロセスのコスト・マネジメントには、3つのスキルが設定されています。
- コストマネジメントの計画
- コストの見積もり
- 予算の設定
ビジネスとは?
利益を出すための活動である。
利益を出すためには、予算内に収まるプロジェクトにすることが重要です。
いつも最後に当初予算が超えて、追加予算を申請してしまっています。
プロジェクトの最初の方はコストの話にならないですが、プロジェクトの終盤戦でコストがシビアになる傾向があります。
それまでに余力を持っておく必要があるので、コストマネジメントは重要な役割を担っています。
コストマネジメントは、予算超過しない計画と、予算を超えそうな時に早く察知する活動である
しかし、予算超えそうなことを察知できて、人を削減すると期限間に合わないし・・・。
当然、プロジェクトを動かすためには人が必要。でも人が動けばカネがかかるので、バランスが重要となります。
コストマネジメントの計画
コストマネジメント計画書を作成します。
コストマネジメント計画書は、どのように作成していくのが良いのでしょうか?
計画マネジメントで作成したガントチャートを見て作成するのが基本です。
ただ、他の要因も洗い出しておく必要があります。
コストマネジメントで洗い出しをする人員以外のコスト例
- オフィス(場所)の賃料
- 機器の代金 (例えば 開発用PC等)
- 開発用ツールのサブスク代
- 他部署の間接的にかかるコスト (例えば経理部門の費用も含むかどうか)
こちらは資源マネジメントで洗い出しますので、今回はこのような費用もかかりますよという意識で良いです。
コストマネジメントで、どこまでマネジメントするのかはプロジェクトにより異なるので、あなたのプロジェクトに合わせて、どこまでコストを算出するのかを計画しておきましょう。
コストの見積もり
コストの見積もりはどのように実施したら良いでしょうか?
コストの見積もりは計画マネジメントで作成したガントチャートが基本になります。
コストの見積手法
- ガントチャート上に書かれている1タスク毎の必要人員を明確にする
- 社内で実施するのか、委託先等の外部に任せるのかを決める
- タスクを完了させるのに必要なスキルを洗い出す
- 必要なスキルレベルによって、単価を明確にする
- 1タスク毎に必要なコストを洗い出す
- プロジェクト全体のコストを算出する
順序立てて、コスト見積もりを実施しましょう!
見積もりで忖度してしまうと、後で困るのはプロジェクトマネージャーであるあなたです!
予算の設定
見積もりが取れたので、プロジェクトを始めれば良いのでは?
見積もりを使って、コストベースラインを作成しましょう。
どの費用がいつ、どれぐらい消費される予定なのかを具体的に配分していきます。
コストベースラインを作成したら、いよいよ開始ですね?
コスト・マネジメントでは、いくつかの「チェックポイント」を設ける必要があります。四半期や半期、成果物が出来た時等のタイミングでコストを見直すための計画を立てましょう!
最後は、根拠があるデータをもとに予算を取りましょう!
品質・マネジメント
計画プロセスの品質・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- 品質マネジメントの計画
品質マネジメントの計画
品質って大事なのはわかるけど、何が大事なのかがいまいち理解ができていないんですよ。
どのような業務にも品質基準は必ず存在します。国際的な規格や、一般的に使われている指標等が該当します。
まずは、国際的な規格や一般的な指標を調査することから始めてみれば、品質マネジメントは比較的簡単にできます。
お客様からの要望もありますよね。
その通り。お客様の期待値も品質基準に含まれます。またお客様の会社に独自に設定している基準があることもあるので、注意が必要です。
品質基準は、国際的な規格や一般的な指標、及び お客様の期待値で決まる。
記述内容 | 説明 |
---|---|
使用する品質基準 | システム/ソフトウェア製品品質(JIS X 25010:2013)など、どのような品質基準を適用するのか検討する |
お客様の期待値 | お客様の期待値や、お客様の会社の独自品質基準等を適用するか検討する |
品質目標 | 成果物毎に定量的な指標を定義する。 |
品質に関する役割と責任 | レビューやテスト等の実施責任者や品質保証責任者を定義する |
成果物ごとの適用要否 | それぞれの成果物に対して、品質保証の対応要否を決める |
品質マネジメントの活動 | 成果物毎の品質評価指標を設定し品質合否の閾値を定める |
品質ツールの検討 | 品質管理を行うためのツールを検討する |
資源・マネジメント
計画プロセスの資源・マネジメントには、2つのスキルが設定されています。
- 資源マネジメントの計画
- アクティビティ資源の見積もり
資源マネジメントの計画
”人は大事に”がモットーです。
資源マネジメントは、人のみではなく、モノ(物的)資源、場合によってはカネも対象となります。
資源マネジメントの資源とは?
- チーム(要するに人)
- 施設(要するに場所)
- 機器(必要なツールやPC・タブレット等)
これらの資源を洗い出せばOKってことですね。
資源マネジメントは洗い出して獲得するのみではなく、
・人をどのように成長させるか?
・物的資源をどのように調達するか?
の戦略も含まれます。
資源マネジメントでは、どのような資源が必要で、どう調達し、どう育成していくのかを計画すること
アクティビティ資源の見積もり
アクティビティ資源の見積もりとは、
・どのぐらいの人員が必要なのか
・どの材料がどのぐらい必要なのか
・どのツールを採用するのか
と言った点を見積もります。
でもどうやって見積もれば良いのでしょうか?
今まで作成した計画マネジメントのガントチャートや、必要なスキルを元に、どのような人員がどのぐらい必要かを見積もれば良いです。
物的資源は、人員によっても変わるものもあると思いますので、
人員⇒資材⇒ツールの順番で算出するのがおススメです。
コミュニケーション・マネジメント
計画プロセスのコミュニケーション・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- コミュニケーションマネジメントの計画
コミュニケーションマネジメントの計画
コミュニケーションは必要になった時に、必要な人と取れば良いのでは?
場当たり的なコミュニケーションも必要です。しかし、あらかじめどのようなコミュニケーションをいつ誰と実施するのかを詳細に計画をしておきましょう。
コミュニケーション計画に記載すべき内容
- コミュニケーション要求事項 (誰がどのようなコミュニケーションを求めているか)
- 報告する情報と粒度(詳細度)
- コミュニケーション担当者と参加者
- 情報伝達手段
でも、具体的にどうやったら良いのかがわかりません。
私が計画の時に記載しているものを一例として情報展開します。
会議名 | 担当者 | 参加者 | 頻度 | 準備物 | 手段 |
---|---|---|---|---|---|
Step1 開始承認会議 | PL | A取締役, B部長, C課長,PL | Step1開始時 | Step1計画 | 会議室 |
Step1 中間確認会議 | PL | C課長, PL, 担当A, 担当B | Step1移行3か月後 | Step1進捗グラフ、課題管理表 | 会議室 |
Step1 完了報告 | PL | A取締役, B部長, C課長,PL | Step1終了時 | Step1計画/実績、課題管理表(全件完了) | 会議室 |
A社 デイリースクラム | A社管理者 | A社 管理者, 担当E 自社 PL, 担当D | 毎日 9:00 – 9:15 | 週目標と日単位の計画/実績表 | Microsoft Teams会議 |
B社 デイリースクラム | B社管理者 | A社 管理者, 担当F 自社 PL, 担当G | 毎日 9:15 – 9:30 | 週目標と日単位の計画/実績表 | Microsoft Teams会議 |
A社 Weekendミーティング | A社管理者 | A社 管理者, 担当E 自社 PL, 担当D | 毎週金曜日 16:00 – 17:00 | 週目標と日単位の計画/実績表 次週の目標と日単位計画 | Microsoft Teams会議 |
あくまで一例なので、あなたが使いやすいフォーマットで記載してください。
コミュニケーションは仕事の基本です!
リスク・マネジメント
計画プロセスのリスク・マネジメントには、5つのスキルが設定されています。
- リスクマネジメントの計画
- リスクの特定
- リスクの定性的分析
- リスクの定量的分析
- リスク対応の計画
リスクマネジメントの計画
トラブルが発生して、プロジェクトが失敗してしまいました。運が悪かったですね。
プロジェクトマネージャーは、トラブルが発生しても動じずに対処することが求められます。
でも、どうやって事前にリスクに動じないように計画を立てるのでしょうか?
リスクを事前に把握できていれば、焦ることはありません。
品質問題、コスト問題…要するに今までの計画から変わってしまうことがリスクとして捉えられます。
計画からズレが発生した時にどうするかを決めるのが、リスクマネジメント計画です。
とは言え、リスクマネジメント計画とは何を計画すれば良いのでしょうか?
最初にリスクマネジメント計画書を策定することがおススメします。
リスクマネジメント計画書に書くこと
- リスク戦略
リスクに対する方針・目標を書く - 方法論
リスクマネジメントをする手法について書く
リスクを特定する方法、使用するデータを明確にしておく - 役割と責任
リスクマネジメントの体制と役割を明確にしておく
その際にRASCIを使うことをおススメ - 資金調達
リスク対応に対する資金調達の責任をどうするかを書く - タイミング
具体的にどういう単位でリスクを洗い出し、解決をするのかを書く
例えば、毎週リスクを洗い出しと解決状況報告をする等 - リスク区分
要するにリスクのグループ化
最も一般的な手法は、RBS(リスク・ブレイクダウン・ストラクチャ) - ステークホルダーのリスク許容範囲
リスク許容範囲を明確にする。
資金を投入してもリスク回避するか(進捗遅れのバッファで1名余分に準備する等) - リスクの発生確率と影響度の定義
例えば、当初計画よりコストが10%増加したら、影響度を中にする等 - 発生確率・影響度マトリックス
品質・コスト・スケジュール(QCD)の問題発生と影響度を数値化
影響度 小
0.1中
0.2大
0.4極大
0.8発生確率 10% 0.01 0.02 0.04 0.08 30% 0.03 0.06 0.12 0.24 50% 0.05 0.1 0.2 0.4 - 報告書式
WordやMiro等の報告文書を明確にしていきます。 - 追跡調査
プロジェクト実行後の監視方法について定義します。
リスクの特定
プロジェクトの全体リスクと個別リスクの要因を特定し、それぞれの特性を文書化するプロセスになります。
ちょっと意味がわかりづらいですね。
基本的には、リスクの洗い出しを実施します。
その時、関係者全員が参加して「リスク登録簿」というリスクのリストを作成することになります。
全員でブレストをする感じでしょうか?
その通りです。ただし、各リスクが曖昧さを残さずに、明確に定義することが重要です。
おススメのリスク洗い出しの手法・参加者
- 過去の知見を持っているような専門家にヒアリング
- 関係者へのブレインストーミング、インタビューの実施
- 人間関係やチームスキルに関する人が関わるリスク
- インプット・アウトプットの不確実性を考慮したリスク
- SWOT分析
SWOT分析とは?
強み(Strength)、弱み(Weakness)、好機(Opportunity)、脅威(Threats)の観点からプロジェクトを検討し、それぞれのケースに分けて対応策を講じる手段
リスクの定性的分析
そもそも定性的とは何でしょうか?
定性的とは、数値化できないことです。
リスクの定性的な分析とは、主観的なリスク認識に基づき分析することを指します。
具体的にどうやってリスク分析をすれば良いのでしょうか?
定性的とは、数値化できないことです。
リスクの定性的な分析とは、主観的なリスク認識に基づき分析することを指します。
リスクの定性的分析の例
A, B, Cというリスクがあったとします。
過去の経験や専門家の意見を踏まえて、BよりもAの方がリスクが高い、CよりもBCの方がリスクが高いとして優先順位をA⇒B⇒Cとしました。
これらの基準は実際のデータ(数値化)に基づいていないため、定性的分析と呼ばれることになります。
プロジェクトマネージャー独断の判断にならないよう、専門家やステークホルダーにどのように判断したのかを説明する必要があります。
リスクの定量的分析
定量的分析はわかります。
実際の数値に基づいて、リスクの分析を行っていくのだと思います。
しかし、どうやって数値化するのかがわからないです。
定量的な分析をするために、どのように数値化するのかをこれから解説します。
定量的な分析をする数値化の例
- 発生確率と影響度
この手法が一番多いです。過去のデータや経験から発生確率を3段階、影響度を3段階にして、優先順位付けをする方法です。例えばこのようなマトリクスを作成して、優先順位を決めていきます。
影響度 大 影響度 中 影響度 小 発生確率 大 A B B 発生確率 中 A B C 発生確率 小 B C C - 遅延時の後工程への影響度
後工程への影響を踏まえて、リスク発生時の問題の大きさを元に優先順位を決める方法です。
各工程での遅延がプロジェクト全体への影響を踏まえて判断する方法になります。
定量的分析を実施することが望ましいです。数値化が難しい場合には定性的分析を利用することも仕方がありません。
リスク対応の計画
リスクを特定したのに、リスク対応の計画とはどのようなことを実施すれば良いのでしょうか?
先ほどの定性的分析や定量的分析により特定したリスクに対して、対応策を事前に検討をしておくことになります。
リスク対応の計画の例
No. | リスク | 発生 確率 |
影響度 | 対応者 | 対応内容 | 対応 実施日 |
1 | 委託先の単価が上がる | A | B | PM | 単価上昇時の相談先を決める | 2024/4/1 |
2 | 開発で利用しているソフトのバージョンアップ対応 | A | C | Aさん | バージョンアップ時の検証プロセスを制定する | 2024/4/21 |
3 | 製品に求められる機能追加が発生する | B | A | Bさん | 他社製品の機能追加を定期的にウォッチする | 2024/4/11 |
リスクは事前に対策しなければ、ただの空想である
調達・マネジメント
計画プロセスの調達・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- 調達マネジメントの計画
調達マネジメントの計画
調達マネジメントの計画とは、具体的に何をすれば良いのでしょうか?
調達マネジメントの計画では、プロジェクトに必要な外部の人材やサービスをどのように調達するかを計画します。これには、調達の範囲や目標、調達戦略、契約タイプ、リスク評価、そして調達のスケジュールなどが含まれます。
調達マネジメントの計画に含まれる内容
- 調達範囲や目標
何を外部から調達するか、それに伴うリソースやサービスの種類を明確にします。また、どのくらいの量や質が必要なのか検討をします。 - 調達戦略
具体的なリソースやサービスを入手する方法を計画します。これには、競争入札、交渉、または単一のベンダーと契約するかどうかなどが含まれます。プロジェクトの特定の要件や制約に基づいて最適な調達戦略を選定します。 - 契約のタイプ
調達する人やモノに合った契約形態を選ぶことを指します。サブスク、固定価格契約、単価契約など、プロジェクトの性格やリスクに応じて最適な契約タイプを選びましょう。 - リスクの評価
潜在的なリスクを評価し、リスクに備える戦略を決めます。ベンダーの信頼性や市場の変動、契約の変更など、さまざまなリスク要因を考慮することが重要です。 - 調達スケジュール
リソースやサービスが必要な時点や順序を考慮して、調達のスケジュールを計画します。これによって、プロジェクト全体の進行に影響を与えずに、必要な外部のリソースやサービスを確保できるようになります。
調達はプロジェクト成功とマネジメントが楽になる大事な要素
ステークホルダー・マネジメント
計画プロセスのステークホルダー・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- ステークホルダーマネジメントの計画
ステークホルダーマネジメントの計画
ステークホルダーのマネジメントはイメージできませんが、要するにステークホルダーの一覧を作成していれば良いのではないでしょうか?
ステークホルダーマネジメントは戦略が必要です。
プロジェクトに関与する人々(ステークホルダー)との関係をどのように構築・管理するかを戦略的に計画します。
ステークホルダーのニーズや期待、コミュニケーションの方法、そしてステークホルダーの影響力を考慮する必要があります。
ステークホルダーマネジメントの計画に含まれる内容
- ステークホルダーの関係構築
誰がステークホルダーなのかを明確にし、ステークホルダーがプロジェクトに対してどのような期待や要件を持っているかを把握してください。そして、ステークホルダーとの適切なコミュニケーションや関係構築の戦略を立てましょう - ニーズや期待の把握
ステークホルダーとの対話やアンケート、ワークショップなどを通じて、ステークホルダーの期待や要件を明確にします。また、各ステークホルダーの重要度や影響力を評価していきましょう - コミュニケーションマネジメント
どのようにしてステークホルダーとのコミュニケーションを行うかを検討します。これには、チャット、ミーティング、報告書、またはプロジェクトポータルを活用するなど、効果的なコミュニケーション手段を選定しましょう - ステークホルダーの影響力
各ステークホルダーのプロジェクトへの重要度や影響力を評価し、重要度・影響力に基づいて彼らとの関係構築やコミュニケーションの戦略を立てます。特に重要なステークホルダーには特別な対応が必要です。
ステークホルダーとは定期的に会話する戦略を立てましょう!
統合マネジメント・プロジェクトマネジメント計画書の作成
最後に統合マネジメントのスキルである、プロジェクトマネジメント計画書作成を説明します。
プロジェクトマネジメント計画書の作成
要するに、今まで検討したものをまとめてプロジェクトマネジメント計画書として文書化してください。
カッコ良いプロジェクトマネジメント計画書を一度作成してみませんか?
実行プロセス
実行プロセスの目的:
最高のパフォーマンスを発揮するため
プロセス群/知識エリア | 実行 |
---|---|
統合・マネジメント | ・プロジェクトの作業の指揮マネジメント ・プロジェクト知識のマネジメント |
品質・マネジメント | ・品質のマネジメント |
資源・マネジメント | ・資源の獲得 ・チームの育成 ・チームのマネジメント |
コミュニケーション・マネジメント | ・コミュニケーションのマネジメント |
リスク・マネジメント | ・リスク対応策の実行 |
調達・マネジメント | ・調達の実行 |
ステークホルダー・マネジメント | ・ステークホルダーエンゲージメントのマネジメント |
統合・マネジメント
実行プロセスの統合・マネジメントには、2つのスキルが設定されています。
- プロジェクトの作業の指揮マネジメント
- プロジェクト知識のマネジメント
プロジェクトの作業の指揮マネジメント
結構、今まではプロジェクトマネジメントとしてプロジェクトを指揮するのは経験と場当たり的な対応が多かったような気がします。
プロジェクトの作業の指揮マネジメントは、プロジェクトチームの作業を計画し、調整し、指導するプロセスを指します。作業がスムーズかつ効果的に進むようにするために必要です。
プロジェクトの作業の指揮マネジメントに含まれる要素
- プロジェクトの方針や目標を理解
プロジェクトが何を達成しようとしているかを全体的に把握し、それに合わせて作業を計画しましょう - プロジェクトチームの組織化や役割分担
メンバーのスキルや経験、役割に応じて適切な人員配置を実施してください。役割分担は各メンバーが担当する業務や責務を明確にし、効率的な作業ができるようにしましょう。 - 作業の進捗モニタリングや調整
チームのパフォーマンスや作業の進捗を定期的に確認し、問題や課題が発生したら速やかに対処していきます。 - プロジェクトマネジメントスキルの発揮
- コミュニケーションやモチベーションの維持
- 変更管理や問題解決のスキル
プロジェクト知識のマネジメント
プロジェクト知識のマネジメントは、
・知識の創出
・知識の共有
・知識の利活用
を効果的に行うためのプロセスや手法のことです。
知識の創出
プロジェクトの進行中に得られた経験やベストプラクティスをドキュメントにまとめて、新しい知識として体系的に整理すること
知識の共有
プロジェクトメンバーや関連するステークホルダーとのコミュニケーションを通じて行います。
プロジェクトの進捗報告やレビュー会議、知識共有セッションなどを通じて、得られた知識を広く共有し、プロジェクト全体での理解を深めます。
知識の利活用
プロジェクトの進行中に得られた知識を次のプロジェクトや同様の状況に適用します。これには、プロジェクトマネージャーや関係者が経験を振り返り、過去の成功や失敗から学びながら、今後のプロジェクトに生かすことが含まれます。
プロジェクト知識のマネジメントは、現在・未来のプロジェクトを円滑に進めることが目的!
品質・マネジメント
実行プロセスの品質・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- 品質のマネジメント
品質のマネジメント
そもそも品質は実行フェーズではなく、監視・コントロールフェーズで実施するのでは?
監視・コントロールフェーズでは、品質基準を満たしているかどうか確認するのに対して、実行フェーズでは品質が低下する原因を突き止めて、対策をするフェーズとなります。
どうやって対策をすれば良いのでしょうか?
以下のような対策が一般的です。
品質が基準に満たない場合の対策
- プロセスの見直し
プロセスの流れを分析し、問題となるプロセスを特定して、改善を実施 - 教育
プロジェクトメンバーに対して、品質に対する教育を受講してもらい、新しい技術の習得を実施 - 定期的なレビュー
品質監査者と定期的なレビューを実施して、品質問題を発生させない仕組みを作り上げる - ステークホルダー(主に顧客)のフィードバック
品質に関する期待値を常に把握するために、顧客にインタビューを行う - リスクの予測
過去のプロジェクトからリスクを予測して、事前に問題を発生させないプロセスを構築
品質問題発生時に対処を間違えると一瞬で信頼を失う!
資源・マネジメント
実行プロセスの資源・マネジメントには、3つのスキルが設定されています。
- 資源の獲得
- チームの育成
- チームのマネジメント
資源の獲得
資源の獲得って、要するに人員、物資、設備を準備することですよね?
その通りです。プロジェクトの進行には、人員、物資、設備の獲得が重要です。人員、物資、設備を計画的に利用していくためのマネジメントが必要となります。
資源調達の手段(例)
- 内部人選をして、人材を調達する
- 外部のベンダーやサプライヤから資材やサービスを調達する
- 外部のコンサルタントや専門家をプロジェクトに参加して頂く
資源調達の注意点
- 資源の必要性と量を正確に把握
- 適切な資源を選定する基準
- 適切な契約形態や条件
- 資源の獲得プロセスをスケジュールに組み込む
適切な資源の獲得は、プロジェクトの進行において欠かせない要素
チームの育成
要するに人材を教育することで、プロジェクトを円滑に進めることですよね?
チームの育成は、プロジェクトの目標を達成するために必要なスキルや能力を身につけるプロセスです。このプロセスには、メンバーのトレーニングやコーチング、チームビルディング等があります。
チームメンバーの育成手段
- メンバーのスキルや経験を評価
- 必要なトレーニングを策定
- チーム内のエキスパートやリーダーがメンバーにスキルや知識を伝達
- 専門家やトレーニングプロバイダーを活用して、必要なスキルや知識を提供
チームビルディングの手段
- ームメンバー同士の相互理解を深めるためのワークショップやイベント
- チームメンバー間の信頼関係を構築するためのコミュニケーショントレーニング
育成成功でプロジェクトの成功率UP!
チームのマネジメント
チームのマネジメントって何をするのでしょうか?
チームは複数人で動いているため、トラブルが発生することがあります。トラブルが発生した時に、解決案を検討することが重要です。
チーム内で発生するトラブル
- 意見の衝突
チームメンバー間での価値観や意見の相違により対立することがあります。 - コミュニケーション不足
情報共有や意思疎通の問題で、進捗状況が悪くなることがあります。 - 役割・責任の転嫁
責任範囲が不明確で、重複や漏れが発生する。
人が集まればトラブルは発生するもの。円満に解決するのがプロジェクトマネージャーの腕の見せ所!
コミュニケーション・マネジメント
実行プロセスのコミュニケーション・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- コミュニケーションのマネジメント
コミュニケーションのマネジメント
実行フェーズのコミュニケーションのマネジメントは何をするのでしょうか?
計画フェーズで取り決めたコミュニケーション計画に従い、ステークホルダー等とコミュニケーションを実施していきます。
気をつけるポイントはありますか?
気をつけるポイントは以下になります。
コミュニケーションで気を付けるポイント
- 相手が理解するように伝える(理解したか確認することも時には重要)
- 情報展開のみで会議を開催するのは考えるべき(コミュニケーション種類による手段の選択)
- コミュニケーションに問題がある場合はコミュニケーション計画を見直す
コミュニケーションは誤解を生みやすい工程。誤解を生まないコミュニケーションを!
リスク・マネジメント
実行プロセスのリスク・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- リスク対応策の実行
リスク対応策の実行
要するにリスク対応の計画を実施しましたが、それを実行することになります。
リスク対応策の実行のポイント
- 計画倒れにならず、リスク対応策は実行に移すこと
- 適切なタイミングでの実行
リスク対応策の実行は優先順位が下げられがち。
しかし、リスクが発生してからでは遅い。事前にリスクの対処を実行すること。
調達・マネジメント
実行プロセスの調達・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- 調達の実行
調達の実行
計画フェーズで実行した調達計画に基づき調達をしましょう。
計画通りに調達をするのはなぜでしょうか?
基本的にはリスクを回避するためになります。計画を外れてしまうと、リスクが高くなります。
計画通りに調達をする理由
- 予算の遵守
- スケジュールの遅延を回避
- 品質の維持
計画時の内容を軽視せず、調達をしていきましょう!
ステークホルダー・マネジメント
実行プロセスのステークホルダー・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- ステークホルダーエンゲージメントのマネジメント
ステークホルダーエンゲージメントのマネジメント
ステークホルダーエンゲージメントのマネジメントは、プロジェクトに関わるすべてのステークホルダーとの関係を管理し、彼らの期待やニーズを理解し、彼らをプロジェクトに参加させるプロセスです。
どのようにしてステークホルダーとのエンゲージメントをマネジメントするの?
ステークホルダーエンゲージメントのマネジメントには、いくつかのステップが含まれます。まず、ステークホルダーの特定と分析があります。次に、各ステークホルダーの期待や関心、影響力を理解し、彼らのニーズに応えるための戦略を策定します。
実際にどのようにエンゲージメントを促進するの?
エンゲージメントを促進する方法は色々とありますが、代表的な例を説明します。
ステークホルダーとのエンゲージメントを促進する方法
- オープンなコミュニケーション
- ステークホルダーのフィードバックを積極的に取り入れる
- ニーズに合わせた活動、イベントの企画
ステークホルダーとのエンゲージメントをマネジメントすることで、プロジェクトにどのような利点があるの?
ステークホルダーとのエンゲージメントの確立は大きな利点があります。
ステークホルダーとのエンゲージメントを確立する利点
- プロジェクトの成功率が上がる
ステークホルダーがプロジェクトに積極的に参加することで、成果物にズレが少なくなるため - 将来のプロジェクトにもサポートしてくれる
良好な関係を築くことで、次のプロジェクトにも積極的に参加して頂ける
ステークホルダーと良好な関係を築くことは、将来もあなたに協力してくれる礎になる!
まずは書籍を読んで頂いて、その後興味があればトレーニングすると効果が得られると思います。
【書籍】
【スクール】
監視・コントロールプロセス
監視・コントロールプロセスの目的:
状況の変化への柔軟な対応、不測の事態を察知して未然防止
プロセス群/知識エリア | 監視・ コントロール |
---|---|
統合・マネジメント | ・プロジェクト作業の監視/コントロール ・統合変更管理 |
スコープ・マネジメント | ・スコープの妥当性確認 ・スコープのコントロール |
スケジュール・マネジメント | ・スケジュールのコントロール |
コスト・マネジメント | ・コストのコントロール |
品質・マネジメント | ・品質のコントロール |
資源・マネジメント | ・資源のコントロール |
コミュニケーション・マネジメント | ・コミュニケーションの監視 |
リスク・マネジメント | ・リスクの監視 |
調達・マネジメント | ・調達のコントロール |
ステークホルダー・マネジメント | ・ステークホルダーエンゲージメントの監視 |
コントロールできてこそ、プロジェクトマネージャーとして1人前である!
統合・マネジメント
監視・コントロールプロセスの統合・マネジメントには、2つのスキルが設定されています。
- プロジェクト作業の監視/コントロール
- 統合変更管理
プロジェクト作業の監視/コントロール
プロジェクトマネージャーは作業の監視・コントロールをすることと教わりましたが、具体的に何を監視すれば良いのでしょうか?
プロジェクトマネージャーは計画通りに作業の実績が進んでいるか監視して、場合によって変更要求を提出する役割になります。
プロジェクト作業の監視・コントロールの具体例
- 計画と実績の比較
- 是正処置や予防処置が必要かを決めて、評価と処置の提案
- 新規リスクの特定
- 既存リスクの分析・追跡・監視
- 成果物に関する情報データベースの維持
- 進捗報告、予測の基礎となる情報の提供(全体日程等)
- コストの消費状況の監視
- 変更が発生した際の実施状況の監視
現状把握ができていないマネージャーは正しい判断ができない!
統合変更管理
統合変更管理って、なぜ必要なのでしょうか?
プロジェクトは変更があるのが当たり前です。しかし承認なく変更が行われていると、マネジメントができません。
では、都度変更が発生ごとに承認をするいう作業ですね?
変更のたびに承認するのみであれば、プロジェクトとしては当初予定していた計画通りにならずに失敗してしまいます。
そのために変更にはルール・プロセスが必要となります。
統合変更管理で決めるべきルール・プロセス
- 誰がいつ変更を提案することができるのか?
- 提案された変更を誰がレビューして、誰が承認するのか?
- レビューに必要な情報(例えばQCD)を誰が提供するのか?
- 承認された変更を誰がどのように計画に反映するのか?
- 計画はどのようにチームメンバーに周知するのか?
変更管理を司るプロジェクトマネージャーは、周りからも信頼されるし、カッコいい!
スコープ・マネジメント
監視・コントロールプロセスのスコープ・マネジメントには、2つのスキルが設定されています。
- スコープの妥当性確認
- スコープのコントロール
スコープの妥当性確認
スコープの妥当性確認とは何でしょうか?
プロジェクトの成果物が顧客や利害関係者の期待や要求を満たしているかどうかを確認するプロセスになります。
つまり、プロジェクトが予定通りに進行しているかどうかを確認する作業になります。
つまり、プロジェクトが目指す成果物が、顧客や利害関係者が求めているものにマッチしているかどうかを確認するということでしょうか?
その通りです。
スコープの妥当性確認では、プロジェクトが着実に進行している間に、成果物が期待通りに開発されているかどうかを評価し、必要に応じて修正や調整を行います。
でも、具体的にどうやって妥当性確認を実施すれば良いですか?
スコープの妥当性確認の具体的な実施方法
- プロトタイプや試作品を見せてフィードバックをもらう
- 定期的なミーティングで進捗状況や成果物をプレゼンテーションする
- 要求仕様書やプロジェクト計画と照らし合わせる
途中で確認することで、ステークホルダーの満足度が上がる
スコープのコントロール
スコープをコントロールするとは、どういうことでしょうか?
スコープのコントロールは、プロジェクトが目指す成果物や範囲が予定通りに進行しているかどうかを確認し、必要に応じて調整するプロセスになります。
つまり、プロジェクトのスコープが範囲内に収まっているかどうかを管理することになります。
具体的にはどんなことを行うの?
スコープのコントロールで具体的にやること
- プロジェクトのスコープ基準やスコープ管理計画を参照して、現在の進捗状況と目標を比較
- プロジェクトの範囲変更や追加要求が生じた場合には、それがプロジェクト目標や成果物に与える影響を評価
スコープの妥当性確認とスコープのコントロールって何が違うのでしょうか?
スコープの妥当性確認
プロジェクトの成果物が顧客や利害関係者の期待や要求を満たしているかどうか確認する
プロジェクトの開発中の段階で確認する
スコープのコントロール
プロジェクトのスコープが範囲内に収まっているかどうかを確認し、必要に応じて調整するプロセス
プロジェクトに変更が入った時にコントロールする
スコープのコントロールは、変更が入った時に実施するプロセスである
スケジュール・マネジメント
監視・コントロールプロセスのスケジュール・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- スケジュールのコントロール
スケジュールのコントロール
スケジュールは常に監視していますね。でも、うまく行かないのも事実です。
スケジュールのコントロールでは、プロジェクトの進行状況を監視し、予定通りに進んでいるかどうかを確認します。ここまでは誰でもやっていることかもしれません。
しかし、プロジェクトの進捗が遅れている場合、スケジュールの再調整やリソースの再配置ができないことが多いですよね。
具体的にはどんな手順で行えばよいのでしょうか?
進捗を定期的に確認するのはもちろんですが、問題が発生していることが分かった時は原因を特定するのが良いです。
スケジュールが遅れる具体事例
- リソースが不足
- 予期せぬ問題が発生
- 作業の依存関係がうまく機能していない
- 外部の要因
- 天候や市場の変動
- 法的な問題
スケジュールのコントロールは、問題が発生しているかを監視し、問題発生時に問題の原因特定と適切な解決を行うことである。
コスト・マネジメント
監視・コントロールプロセスのコスト・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- コストのコントロール
コストのコントロール
コストのコントロールって具体的に何をすれば良いのでしょうか?
プロジェクトの予算と実際の費用の間の差異を監視し、予算内でプロジェクトを遂行するためのプロセスです。
つまり、プロジェクトの実行中に発生したコストを監視し、必要に応じて予算内に収めるために調整をする必要があります。
監視や調整する手順がわからないのですが。
コストの監視や調整の手順
計画時のコストと実際のコストを比較するフェーズです。どの工程で差が出ているかを特定する必要があります。
なぜコストに差があるのかの原因を特定します。例えば、変更Aという仕様変更が入ったために、人件費がかかっている等が原因の分析となります。
原因分析で出た内容を踏まえて、予算の再割り当てや、コスト削減の方法検討(仕様削減等)、プロジェクトの進行を調整する等が挙げられます。
実際にはどの程度難しいのでしょうか?
コストのコントロールの難しい点と対応方法
難しい点 | 対応方法 |
予算と実際のコストの間の差異を正確に把握すること | タスク単位や依頼単位で、見積金額と実績金額を都度入れる |
外部要因でかかるコストが見えない | 外部要因が発生した時に、見積金額と実績金額の明確化、及び 依頼毎にかかる金額予想が立てられるようにプロセスの明確化、及び プロセスごとのコスト予想を立てる |
コスト管理は甘く見てはならない。プロジェクトは利益を出す必要があるので、コスト管理は正確に!
品質・マネジメント
監視・コントロールプロセスの品質・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- 品質のコントロール
品質のコントロール
品質のコントロールって、どうやって品質をチェックすれば良いのでしょうか?
品質のコントロールにはさまざまな手法が使われますが、その中でもQC7つ道具と呼ばれるツールがよく使われますね。
QC7つ道具って何ですか?
QC7つ道具とは?
- チェックシート
データの収集や問題の特定 - ヒストグラム
データの分布を可視化 - 散布図
2つの変数間の関係 - パレート図
問題の優先順位付け - 制御図
プロセスの安定性を監視 - ストラタ図
データのパターンを特定 - 相関図
2つの変数間の関係を分析
QC7つ道具をもっと詳しく知りたい人は、以下をご参照ください。
QC7つ道具は品質のコントロールにおいて非常に役立つツールです。プロジェクトチームがこれらのツールを活用することで、品質向上が可能です。
品質は信用の第一歩!
資源・マネジメント
監視・コントロールプロセスの資源・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- 資源のコントロール
資源のコントロール
資源のコントロールはどのようなツールやタスクを実施すれば良いでしょうか?
例を挙げると、まずプロジェクトのリソース計画を元に、予定されたリソースと実際のリソースの使用状況を比較することが挙げられます。
お役立ちのおススメツール
プロジェクト管理ツール
- Microsoft Project
- Asana
タイムトラッキングソフトウェア
- Toggl
- Clockify
これらのツールを使って、実際の作業時間やリソースの利用状況を記録し、それを計画と比較します。
状況が見えるようになったら、今度はどのように対策をするのでしょうか?
予定と実績の差異が見つかった場合、適切な対策を講じる必要があります。例えば、リソースの再割り当てや追加のリソースの獲得、作業の優先順位付けの変更などが考えられます。
資源がないとプロジェクトは動かないことを理解しよう!
コミュニケーション・マネジメント
監視・コントロールプロセスのコミュニケーション・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- コミュニケーションの監視
コミュニケーションの監視
コミュニケーションの監視とは具体的に何を実施すれば良いのでしょうか?
実際に計画段階のコミュニケーションの計画通り実施されていることを確認します。ステークホルダーのニーズが双方理解していることや、各メンバー間でコミュニケーションが実施されているかどうかを確認することも重要です。
実施内容はわかったけど、実際にどんな手法で確認するのが良いでしょうか?
具体的な手法としては、デイリースクラムやレトロスペクティブ等が挙げられます。
デイリースクラムやレトロスペクティブとは何でしょうか?
デイリースクラムとレトロスペクティブ
- デイリースクラム
毎日行われる短い会議で、チーム全体が進行状況や課題を共有し、次のステップを計画することです。
狙いは、チーム内のコミュニケーションを促進し、プロジェクトの進行状況を把握になります。 - レトロスペクティブ
プロジェクトの特定の期間を振り返り、何がうまくいったか、何が改善の余地があるかをチームで議論するための定期的な会議。だいたい期間は1週間~2週間に1度程度が望ましいです。
狙いは、チームが学びを得て、プロセスやコミュニケーションの改善になります。
デイリースクラムやレトロスペクティブは、チームメンバーの間でのコミュニケーションを促進し、プロジェクトの進行状況や課題を迅速に把握し、改善を行うための重要な手法です。これらを活用することで、プロジェクトの成功に向けた効果的なコミュニケーションが実現されます。
コミュニケーションの欠如は、プロジェクトの進む方向を見失う!
リスク・マネジメント
監視・コントロールプロセスのリスク・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- リスクの監視
リスクの監視
リスクの監視と言っても、単純にリスクが発生しないようにするだけですよね?
プロジェクトには必ずリスクが発生すると言っても過言ではありません。様々なリスクを定期的に確認して、必要な対策を講じることで、プロジェクトの成功に向けたリスク管理を行う必要があります。
具体的にどうやって管理すれば良いでしょうか?
具体的には、「お助けボード」を使う手法が良いです。
お助けボードとは?
チームメンバーがリスクをポストイットやカードなどに書き出し、ボードに貼り付けることで可視化する方法。リスクを共有し、議論することで、チーム全体でリスクを特定し、適切な対策を考えることができます。
例えば、MiroやJIRA等で管理する手法が一般的な方法になります。
お助けボードを使ったリスクの特定と対策の検討は、チームの協力を促進し、プロジェクトのリスク管理を強化していきましょう。
リスクが問題化する前に解決していきましょう!それが先回りです!
調達・マネジメント
監視・コントロールプロセスの調達・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- 調達のコントロール
調達のコントロール
調達のコントロールとは何をすれば良いでしょうか?
調達のコントロールでは、プロジェクトで必要な資材やサービスを調達するプロセスを管理し、契約や納品が予定通りに進んでいるかどうかを確認しましょう。具体的には以下の内容が挙げられます。
調達のコントールで実施すること
- 契約管理
- 契約書や合意事項の確認
- 取引条件の理解
- 契約条件に基づいた納品物やサービスの監視
- 品質管理
- 納品物やサービスの品質確認
- 品質基準に適合しているかの監視
- 問題があった場合の品質改善計画の立案
- スケジュール管理
- 納品物やサービスの提供スケジュールの監視
- 納品が予定通りに行われているかの確認
- スケジュールに遅れが生じた場合の対応計画の立案
- コミュニケーション
- プロバイダーとの定期的なコミュニケーション
- 問題や課題の共有と解決策の検討
- プロバイダーとの間での情報共有と調整
- 支払い管理
- 支払いスケジュールの管理
- 納品物やサービスの受領と支払いの整合性の確認
- 支払いの遅延や問題が生じた場合の対応策の検討
調達のコントロールは、人材獲得や資源獲得に重要な役割を担うので、手を抜かずにしっかり実施しましょう。
調達はプロジェクトを円滑に実施するポイント!調達先との信頼確保のため、確実に実施しましょう!
ステークホルダー・マネジメント
監視・コントロールプロセスのステークホルダー・マネジメントには、1つのスキルが設定されています。
- ステークホルダーエンゲージメントの監視
ステークホルダーエンゲージメントの監視
ステークホルダーと良好な関係を維持するために、何をすれば良いでしょうか?
プロジェクトに関わるステークホルダーとの関係やコミュニケーションの状況を定期的に評価し、適切な対策を講じることで、ステークホルダーとの関係を良好に保ち、プロジェクトの成功に向けてサポートします。
ステークホルダーエンゲージメントの監視でやること
- 定期的なコミュニケーションの確保
- ステークホルダーとの定期的な会議やミーティングを設定し、進捗や課題、懸念事項などを共有
- メールや電話、ビデオ会議など、適切なコミュニケーション手段を選択してステークホルダーとのコミュニケーションを確保
- フィードバックの収集
- ステークホルダーからのフィードバックを定期的に収集し、プロジェクトの進行や成果物に関する意見や要望を把握
- フィードバックを収集するためのアンケートや面談、ワークショップなどの方法を活用
- 透明性の確保
- プロジェクトの進捗や成果物に関する情報をステークホルダーに適切に伝えることで、透明性を確保
- ダッシュボードやレポートを活用して、プロジェクトの状況や成果を可視化し、ステークホルダーに提供
- ステークホルダーのニーズの把握
- ステークホルダーのニーズや期待を把握し、プロジェクトの目標や成果に沿った方向性を確認
- フェーズごとにステークホルダーのニーズを評価し、プロジェクトの方針や計画を調整
- 関心や懸念の解決
- ステークホルダーの関心や懸念事項を適切に理解し、必要な対応策を実施
- 問題や課題が生じた場合は、迅速に対応し、ステークホルダーに対する適切な説明や解決策を提供
ステークホルダーエンゲージメントの監視は、プロジェクトのステークホルダーとの良好な関係を維持し、プロジェクトの成功に向けて協力を得るために重要な活動です。
ステークホルダーは常に意識してプロジェクトを遂行しよう!
終結プロセス
終結プロセスの目的:
満足感を持ってプロジェクトを終了させる
プロセス群/知識エリア | 終結 |
---|---|
統合・マネジメント | ・プロジェクトやフェーズの終結 |
統合・マネジメント
終結プロセスはプロジェクトやフェーズの終結というスキルがあります。
プロジェクトやフェーズの終結
プロジェクトが終わった!ではダメなんですか?
プロジェクトやフェーズの終結フェーズは、現プロジェクトに直接役立たないですが、組織にとっては重要な役割を担うフェーズです。
でも直接関係ないのであれば、やる必要性を感じません。
プロジェクトやフェーズの終結フェーズがある理由
- 組織としてプロジェクトで得た経験を、組織の資産に変えるプロセス
- 同じような失敗を何度も繰り返さないために、プロジェクトを振り返り次に活かしていく
では、具体的に何を実施すれば良いのでしょうか?
プロジェクトやフェーズの終結フェーズでやること
- 成果の評価
- プロジェクトやフェーズの目標達成度や成果物の品質を評価
- 達成した成果物と目標に対して、ステークホルダーからのフィードバックを集め、改善点や学びを特定
- フェーズまたはプロジェクトの報告
- フェーズまたはプロジェクトの結果や成果をまとめ、関係者に報告
- 達成した成果物や目標、予算、スケジュール、リスクなどの整理して報告
- 次の段階の計画
- 次のフェーズやプロジェクトの計画を策定
- 前段階での学びや反省を踏まえて、次の段階に向けた改善や調整
次のプロジェクトに活かせる情報を収集しましょう!
そしてプロジェクトは終結です。お疲れ様でした!
まとめ
スポーツでもルールがあるように、プロジェクトマネジメントにはPMBOKというプロジェクトマネジメントのルールが存在します。このルールを知ることが、プロジェクトマネジメントの第一歩となります。
もっと詳細を知りたい方は、PMBOKガイドをご参照ください。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございました!