あなたはプロジェクトを開始する前に、メンバーやステークホルダーの責任範囲を決めていますか?
責任範囲を決めないと、誰が何を実施しているのかわからずに、間に仕事が落ちてしまう可能性があります。
プロジェクトを進めながら、役割分担を決めていく方法をとっている人もいると思います。
しかし、最初にある程度は責任範囲を決めておかなければ、仕事が進まない、自分の仕事じゃないはずなのにと、メンバーを含めたステークホルダーから不満が出てきます。
特にワンチームという名のもとに、プロジェクトメンバーが集結していたとしても、メンバー間の役割がきちんとしていないと、メンバーからも不満が出ます。
特にプロジェクトマネージャーが1人に仕事を集中させてしまうのは、結果的にプロジェクトが失敗する原因にもなり得ます。
プロジェクトの計画フェーズで、責任範囲を明確に決定しておくことで、今後のプロジェクトがスムーズに動きます。
ここでは、責任範囲の決め方、決める理由、注意事項を解説をいたします。
プロジェクトの責任範囲を決める目的
- プロジェクトをスムーズに進めるため
- プロジェクト内外の責任範囲を明確にするため
- プロジェクトメンバーに責任を持ってもらい、成長につなげるため
- 特定の人に仕事が集中してしまっている人
- 仕事の抜け漏れが発生してしまっている人
プロジェクトを始めるときに決めるべきことは、以下の記事を参考にしてください。
https://todd-uplife.com/start_project/責任範囲はどうやって決めるのか?
あなたはプロジェクトの責任範囲、プロジェクトメンバーの責任範囲をどのように決めていますか?
何となく、できる人に仕事を集中させるようなマネージャーになっていませんか?
ここでは、責任範囲を決める方法について解説していきます。
責任範囲を決める極意
- 最初は大まかに決めれば良い
- ただし、プロジェクトメンバーの役割はきっちりと決めておこう
- 関係者の役割はRASCIを使うとまとめやすい
最初は大きく決めれば良い
最初から細かい視点では責任範囲を決めることはできません。
ステークホルダーごとに、大まかな責任分担を決めていきましょう。
責任分担を決める時のポイントを解説します。
責任分担を決める時のポイント
- まずはステークホルダーごとに、何を実施してもらうのかを決めれば良い。
- 細かいプロセスは、責任分担で誰が決めるのかを決めれば良い。
まず細かいところは気にせず、大きく役割分担を決めていきましょう。
プロジェクトメンバーの役割はしっかり決める
あなたは仕事をメンバーに依頼するとき、誰に依頼していますか?
毎回同じ人に依頼しているのであれば、それはメンバーの役割を決めていないことが原因かもしれません。どうしても、優秀な人に仕事を回してしまっていませんか?
仕事をいつも依頼される人が、不満を持っている可能性があります。
また、いつも仕事を依頼されない人が、不満を持っている可能性もあります。
これらを解消するためには、しっかりメンバーの役割を決めていきましょう。
役割を決めるポイント
- メンバーの不満を溜めないために、確実に役割を決める
- 優秀な人に仕事が集中しないように、確実に役割を決める
しっかりと役割を決めておきましょう。
関係者の役割をRASCIで決めること
では、具体的にどのよう役割を決めるべきでしょうか?
1つの手法として、RASCI(レイシー)があります。私はこの手法で必ず関係者の役割を決めていきます。
まずはRASCIは何かを説明します。
RASCIとは?
- R (Responsible)
- A (Accountable)
- S (Support)
- C (Consult)
- I (Inform)
これらを責任分担表にまとめていきましょう。
田中 | 加藤 | 鈴木 | 山本 | |
要求仕様 | R | |||
デザイン | A | R | ||
開発 | C | R | I | |
評価 | R | I |
上記のようにマトリクスでまとめるのが良いと思います。
このように人単位で整理ができていると、今後のプロジェクト進捗がスムーズに進めることができます。
なぜ責任範囲を決める必要があるのか?
プロジェクトの責任範囲はやりながら決めていけば良いと思っていませんか?
ここでは、なぜ責任範囲をあらかじめ決めておく必要があるのかを解説します。
なぜ責任範囲を決める必要があるのか?
- プロジェクト間で仕事のやり残しを防ぐため
- プロジェクト内でもやり残しを防ぐため
- 責任を与えることで、メンバーの意識を高めるため
プロジェクト間での仕事のやり残しを防ぐため
まず、あなたのプロジェクトは何を実施するのかを明確にしておく必要があります。
そのためには、周りの関連するプロジェクトとの役割分担を明確にしておきましょう。
プロジェクト間でやり残しを防ぐポイント
- プロジェクト間で、何をINPUTして何をOUTPUTするのかを決める。
- プロジェクトマネージャーとしっかりと役割を話し合う。
- きちんと役割を明確に記載しておく。
しっかりと周りと連携して、プロジェクトの責任範囲を明確にしておきましょう。
プロジェクト内でもやり残しを防ぐため
次に、プロジェクト内でも責任分担を決めていきましょう。
どうしても、空いている人や優秀な人に仕事が集まってきます。またプロジェクトリーダーに業務を集中してしまったりもよくありません。
プロジェクト内の役割分担を決める理由
- 1つ1つの業務に集中させるために、役割分担を決めておこう
- 空いている人や優秀な人に業務集中して、負荷を上げないようにしよう
- 間に落ちた業務をプロジェクトリーダーが拾っていくことにならないようにしよう
プロジェクト内で業務分担を決めて、スムーズに仕事が回るようにしよう
責任を与えることで、メンバーの意識を高めるため
仕事をするためには、メンバーにある程度の責任を与える必要があります。
プロジェクト全体の責任は、プロジェクトマネージャーが取ることになりますが、プロジェクトメンバーにもある程度の範囲で責任を与えることが必要です。
なぜ、プロジェクトメンバーに責任を与える必要があるのかを解説します。
プロジェクトメンバーに責任を与える理由
- メンバーの成長を促すため
- プロジェクトリーダーが、プロジェクトの作戦を立てるのに集中するため
メンバーに責任を与えることで、もっとプロジェクトを回せるようになります。
責任範囲を決める時の注意事項
プロジェクトの責任分担を決める時に気を付けるポイントがいくつかあります。
ここでは代表的な3例を紹介をいたします。
責任分担を決める時の注意事項
- アウトプットで明確に責任範囲を決めること
- やることのみではなく、やらない範囲も決めておくこと
- 複数の人を同じ仕事の責任者にしないこと
アウトプットで明確に責任範囲を決めること
アウトプットレベルで明確に責任範囲を決めることが大事です。
例えば、〜〜設計書、〜〜評価仕様書、〜〜プログラムなど、しっかりとアウトプットで明確に責任範囲を決めましょう。
なぜ、アウトプットレベルで責任範囲を明確にするのかを解説します。
アウトプットで明確に責任範囲を決める理由
- 責任範囲が曖昧にならない。
- 成果物に責任を持たせることで、ゴールが明確になる。
アウトプットで責任範囲を決めるのはおすすめです。
やることとやらないことを明確にすること
プロジェクトの責任範囲を決める時に、やることに注目しがちですが、やらないことを明確にしないと、責任範囲がどんどん広がっていきます。
なぜやらないことを明確にするのかを解説します。
やらないことを明確にすべき理由
- やるべきことを増やさない。
- やらないで良いことに時間を割かない
もし役割が決まっていない事案が出た場合は、プロジェクトリーダーが調整すれば良いので、やること以外は実施しないという気持ちで仕事をしましょう。
複数の人を責任者にしないこと
複数の人を責任者にしてしまうと、結果的に責任の押し付け合いになります。
だから、責任者は1人にすることが大事です。
責任者が複数いる場合のデメリットを解説します。
責任者が複数いる場合のデメリット
- それぞれが責任を持てない。
- 責任者がお互いに気をつかって、業務が進まない。
- 結局、最後に責任の押し付け合いになる。
責任者は1アウトプットで1人に設定しましょう。
まとめ
今回のまとめ
- プロジェクト内外や、プロジェクトメンバーの役割はしっかり決めること
- RASCIを使って見えるようにしておくこと
- アウトプットレベルで責任者を明確にしておこう。複数の責任者は置かない。
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