あなたはプロジェクトに関所を設けていますか?
大きなプロジェクトの場合、プロジェクトに関所を設ける必要があります。
関所がない場合は、プロジェクトの後半で実はできていない、品質が基準に満たないとか、最後に苦しむことになります。
最後に苦しまないためには、途中で関所を設けることが必要になります。
例えば、ここまでに全ての機能を搭載しておくこと、ここまでに品質評価が完了していること、ここまでに量産できる仕組みを作っておくことなど。
ここでは、プロジェクトを円滑に進めるための関所設定について解説をします。
関所設定の目的
- プロジェクトの最終段階で、遅れや問題が発生することを未然に防ぐため
- 途中の目標があるために、詳細計画をしやすくなる
- メンバーのモチベーションを確保する(特に長期プロジェクトでは)
- プロジェクトの最終段階で遅れや問題が多く発覚する人
- メンバーの仕事の状態を管理できない人
プロジェクトを始めるときに決めるべきことは、以下の記事を参考にしてください。
https://todd-uplife.com/start_project/関所の決め方
関所を決めましょうと言われても、どうやって決めたら良いのかに困る人も多いと思います。
ここでは、具体的に解説をしていきます。
関所を決めるパターン
- 開発プロセスの途中段階で決めていく方法
- 進捗状態・問題発生率で決めていく方法
- 人と人の情報の受け渡しで決めていく方法
パターン① 開発プロセスの途中段階で決めていく方法
開発プロセスの途中段階で決めていく方法は、プロジェクトが上位から下位まで管理する必要がある場合に適する方法になります。
例えば、あなたは製品を作るプロジェクトを担当していたとします。
製品を作るには、
企画、要求仕様、詳細仕様、製作、評価の工程があったとします。
それぞれの工程がいつ終わらせるのかを決めていきます。
開発工程の途中段階で関所を決めるポイント
- 関所を通過するためのクライテリアを明確にすること
例えば、詳細仕様書が作成すること ではなく、詳細仕様書を作成して、製作者と内容理解、問題抽出を実施して、Q&Aが0件であること等を定義する
開発工程で切り分けができる場合は、この方法が一番関所に向いています。
パターン② 進捗状態・問題発生率で決めていく方法
プロジェクトのプロセスが少ない場合は、各プロセス内の進捗状況や問題発生率で決めていく方法が適しています。
例えば、あなたはプログラムを作成するプロジェクトを任されていたとします。
プログラムもいくつかのブロックに分割することが出来ますし、一つのブロックでも進捗の状況はわかります。また途中で問題も発生します。
そのため、進捗状態と問題発生率で決めていく方法で関所を決めることができます。
進捗状態や問題発生率で関所を決めるポイント
- 進捗状態は、数値で見えるようにすること
例えば、プログラムをブロックで分けて50%進捗をしていることなど数値で明確にしておくこと - 問題発生率も、数値で見えるようにすること
問題が見つからない=正解ではない。問題が見つけられていないということ。だからプログラムを作成する場合は、規模と比較して何件以上発見することを関所にしておくこと
進捗状態と数値で見えるようにしておきましょう。これだけで目標が明確になります。
パターン③ 人と人の情報を引き渡すタイミングで決める方法
パターン①とパターン②で関所が決められない場合の最終手段は、人と人の情報のやり取り部分を関所にする方法です。
これは要するにメンバー1人1人がアウトプットをいつまでに出すこと、どのレベルでアウトプットを出すことを決めていく必要があります。
人と人の情報を引き渡すタイミングで関所を決めるポイント
- なるべく大きい単位で管理すること
小さい単位ではただの進捗管理になります。単位を見極めていきましょう。 - 人と人の情報と言っているが、同じ人でも可能とする
同じ人の中でもプロセスが違うや情報が違う場合には関所として可とする
関所はなるべく大きい単位で決めましょう。
関所を決める理由
なぜプロジェクトの関所が必要なのでしょうか?
関所を設けることで、プロジェクトが円滑に進めることができます。
関所を決める理由
- プロジェクトの遅れや問題を早期発見できる
- 関所に向けての計画をすることができる
- 中だるみしなくなる
プロジェクトの遅れや問題を早期発見できる
関所を最初に決めておくことで、プロジェクトの遅れや問題を早期発見ができます。
そのためには、数値的に遅れが見えるような仕組みをあらかじめ作っておく必要があります。
例えば、製作実施に対して全ての機能が動作すること、Q&A件数が0件になっていること、不具合が0件になっておくこと。
これらを決めておくことで、途中段階での目標を明確にできます。
関所に向けての計画をすることができる
関所を設けておくと、最終目標以外に関所に向けての目標を立てることができます。
その目標に向けて、計画を立案することにより、計画がよりリアルにすることができます。
中だるみしないようになる
どうしても、長期のプロジェクトだと中だるみをしてしまいます。
何事も少し先の目標があった方がモチベーションを維持することができます。
そのために関所を利用することができます。
関所を決めるときの注意事項
関所を決めるにも注意するべきことがあります。
ここでは、関所を決める時の注意事項を解説します。
関所を決める時の注意事項
- 関所をプロジェクト中止するための口実ではない
- 専門家に余計な判断を仰がない
プロジェクトを中止するための口実ではない
関所を作るプロジェクトは多いのですが、関所にたどり着いていない=プロジェクトを中止と考えているプロジェクトは多いと思います。
時にはプロジェクトを中止することを判断することもあると思います。
しかしながら、関所を設けて中止をしてしまうという安易な判断をしてはいけません。
プロジェクトの中止に関所を利用してはいけないポイント
- 関所はプロジェクトを失敗に終わらせるためにあるわけではない
- 関所は止まる場所であり、中止をするための判断をするわけではない
- 関所はその時のプロジェクトの状態を見て、プロジェクトの管理を見直す手段である
決して関所は中止することが目的ではありません。
あくまで関所はその時の状況を見て、プロジェクト計画を見直すことに使いましょう。
専門家に余計な判断を仰がない
関所を決めるにあたり、専門家の意見を参考にすることもあると思います。
しかし、専門家の意見を鵜呑みにしてはいけません。
特に専門家は過去の知見で進めていることも多いです。
昨今の早いスピードで世界が回っている中で、専門家にのみ頼るのは良くありません。
過去の栄光に頼っている専門家の意見は聞く必要がありません。
専門家に余計な判断を仰がない理由
- 過去の経験という名の栄光に囚われた専門家の意見を聞く必要はない
あなたが一番プロジェクトに詳しいはずです。専門家に頼らずとも、あなたは関所を決めることができます。
まとめ
今回のまとめ
- 関所を決めることで、プロジェクトは円滑に進めることができます。
- 関所はできれば大きい単位で決めることをオススメします。なぜならば、小さい単位だと関所の意味が薄くなります。
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