- 転職後4年間で「実現できたこと」と「まだできていないこと」の正直な棚卸し
- 管理職オファーを断った理由——「年収より軸」という選択の根拠
- 「軸をズラさなかった」ことが4年後にどう機能しているか
- 転職で「すべてが手に入る」という幻想と、現実のギャップ
- このブログを書き続けてきた理由——40代転職を考えている人へ
転職から4年が経った。ここで一度、正直に棚卸しをしておきたい。「転職してよかった」という結論だけを書くのは誠実ではない。何が手に入って、何が手に入らなかったか——どちらも書く。
【実現できたこと】
✓ 企画職として働く:現地現物でお客様目線のデータ分析をして企画を立て、市場に出す仕事ができている。これが一番の目的だった。
✓ 残業が月100時間→約20時間に:家族との時間が増えた。子どもの成長を見られる日が増えた。
✓ 年収1,000万円→1,300万円:転職前の水準を維持しながら、さらに増加した。
✓ 自分の企画が世に出る感動:1年目に最初の企画が発売されたときの感覚は、前職では一度も味わえなかったものだった。
【まだ実現できていないこと・理想との差】
△ 「完全に自分の裁量で動ける」わけではない:企業の一員として働く以上、制約はある。すべての企画が通るわけではない。
△ 前職のような専門的な技術への深さ:エンジニアとしての技術は、企画職に移ってから錆びていく感覚がある。
△ チームをゼロから作る経験:管理職オファーを断ったため、組織を自分で作る経験はまだない。
すべてが理想通りになったわけではない。でも「軸」として設定した「お客様目線で企画を立てて市場に出す」という仕事は、4年間続けられている。これが、この転職の評価だと思っている。
管理職オファーを断った理由
転職後2年目頃、上司から「チームリーダーをやってみないか」という打診があった。メンバーは5〜6名の小さなチームだった。年収も上がる提示だった。
私は断った。
SCENE — オファーを断った日
上司との面談で、打診を受けた後、少し考えてから答えた。「ありがとうございます。でも今は企画職として結果を出すことに集中したいので、お断りします」。
上司は「そうか」と言って、それ以上は何も言わなかった。断ったことへの批判も、引き止めもなかった。「自分で判断していい」という環境がそこにあった。それ自体が、転職前の職場との大きな違いだった。
なぜ断ったのか。理由はシンプルだ。「管理職に戻ることは、転職の軸からズレる」という判断だった。
管理職としての経験はある。管理職としての仕事は「できる」。でも「やりたい」かどうかは別の話だ。転職前に「管理するだけの管理職」に疲弊して転職を決めた。その原点に戻ることは、軸をズラすことだった。
年収が上がる提示でも、軸からズレるなら断る——この判断基準が、4年間ブレずにいられた理由だと思っている。
「軸をズラさなかった」ことが機能した場面
転職後の4年間で、「軸をズラさなかった」ことが具体的に機能した場面が3つある。
① 転職直後の「向いていないかもしれない」という揺らぎ
転職後の最初の半年は、企画職として結果が出なかった。
「自分には向いていないかもしれない」と思う瞬間があった。そのとき、「なぜこの職種に転職したか」という軸が、踏みとどまる根拠になった。軸がなければ、早期に別の道を選んでいたかもしれない。
② 管理職オファーという「より良い選択肢」の誘惑
年収が上がる管理職オファーは、客観的には「より良い条件」だった。
でも「軸」という基準があったから、その提示を感情ではなく論理で断れた。軸がなければ「年収が上がるから」という理由で受けていたかもしれない。
③ 「転職してよかったか」という問いへの答え
仕事がうまくいかない日、評価が思うように出ない日
——そういうとき「転職してよかったか」と問いたくなる。その問いへの答えが「軸通りの仕事をしている」という事実にある。理想の全部が手に入らなくても、軸通りに動けていれば「正しい選択だった」と言える根拠になる。
転職で手に入らなかったもの——正直に書く
「転職してすべてが解決した」という話は、誠実ではない。手に入らなかったものも、正直に書いておく。
「企業の制約」からは逃げられない
転職前の悩みのひとつは「自分の意見が通らない」だった。
転職後も、すべての企画が通るわけではない。組織の中で働く以上、制約はある。「この企画を出したい」と思っても、予算・タイミング・組織の優先度によって通らないことがある。
転職前との違いは「企画を考える仕事をしている」という事実だ。通らない企画が出ても、「企画を考えた」という経験は残る。前職では「企画を考える機会」自体がなかった。この違いは大きい。
技術への深さは失われていく
エンジニアとして積み上げてきた技術的な深さは、企画職に移ってから薄れていっている。設計の細部への感覚、最新の技術トレンドへのアンテナ——これらが鈍くなる感覚がある。これは転職のコストだと認識している。
INNER VOICE — 技術的な深さを失う感覚
かつては新しい技術の話を聞くと「どう実装するか」が頭に浮かんだ。今は「それを使って何を企画するか」が先に浮かぶ。
これは転職によって「頭の使い方」が変わったということだ。得たものがあれば、失ったものもある。それを正直に認識しておくことが、転職を考えている人への誠実さだと思っている。
それでも「軸だけはズラさなかった」ことが支えになる
転職後4年間、うまくいかない日もあった。企画が通らない日、評価に納得できない日、「本当にこれでよかったのか」と問いたくなる日——それはあった。
でも、「軸からはズレていない」という事実が、そのたびに踏みとどまる根拠になった。
転職とは、「理想の状態への完全な到達」ではなく、「軸に沿った方向への移動」だと思っている。
前職では、軸とは逆の方向に動かされ続けていた。やりたくない仕事が増え、やりたい仕事から遠ざかっていった。転職後は、軸と同じ方向に動いている。全速力ではないかもしれない。でも向いている方向が正しい。「すべてが手に入らなくても、軸だけはズラさない」——この選択を、4年後の今も後悔していない。
40代転職を考えているあなたへ
このブログを書き始めたのは、「40代での転職を考えているが、情報がない」という状況の人に、一次体験を届けたかったからだ。転職メディアにある「40代転職のポイント」という記事は、実際に転職した人の経験ではなく、情報をまとめただけのものが多い。
私が書いてきたのは、転職を決めた理由、活動中の苦しさ、家族との対話、面接での失敗と成功、転職後の現実——そのすべてだ。美化もしていないし、過剰に悲観もしていない。
このブログを読んでいるあなたへ
転職を考えているなら、「軸」を先に決めることをすすめる。年収でも役職でも会社規模でもなく、「どんな仕事をしたいか」という軸だ。
軸が決まれば、転職活動中の「管理職として転職した方がいい」という声にも流されにくくなる。転職後の「うまくいかない時期」にも踏みとどまれる。管理職オファーを断る根拠にもなる。
軸は、転職活動の地図だ。地図がなければ、目の前の選択肢に流されるだけになる。
40代での転職は、確かに簡単ではない。でも「難しい」と「できない」は違う。私がそれを証明した一人だと思っている。このブログがその証拠になれば、書き続けてきた意味がある。
「やりたかったことの全部は手に入らなかった。でも軸だけはズラさなかった。それで十分だと思っている。」
よくある質問(FAQ)
このブログの記事をここまで読んでくれたなら、転職に向けた「軸」はある程度見えているはずだ。次のステップとして、転職エージェントへの登録を検討してほしい。登録は無料で、現在の市場価値を客観的に知ることができる。
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