「できること100個」を書き出した後、 次にやることは分類だ。
100個のリストをそのままエージェントに渡しても、 読む気が失せる。 整理されていない情報は、伝わらない。 分類することで初めて、「この人は何が得意な人か」が一目でわかるようになる。
この記事では、AIを使った分類の具体的なやり方と、 分類結果から何を読み取るべきかを書く。 「AIに投げたら終わり」ではない。 読み取り方にこそ、この作業の本当の価値がある。
なぜ「自分で分類」ではなく「AIで分類」なのか
100個のリストを自分で分類しようとした時、 最初にぶつかる問題がある。
「自分が思う自分」でフィルタリングしてしまうことだ。
たとえば「コミュニケーション能力がある」というスキルを書いた時、 自分では「これは普通のことだ」と思うかもしれない。 でもAIに分類させると、「上下左右への調整力」というカテゴリに入れてくれる。 その分類を見て初めて、「自分のコミュニケーションは、単なる雑談力ではなく 調整力として機能していたのか」と気づく。
自分で分類すると、自分のバイアスがかかる。
AIに分類させると、自分では気づかなかった視点が加わる。
それがAIを使う理由だ。
実際に使ったプロンプトを公開する
私がChatGPTに投げたプロンプトの構造を、そのまま書く。 完全に同じでなくていい。考え方を参考にしてほしい。
第1投——まず大分類をさせる
プロンプト例(第1投)
# 指示
以下は私が転職活動のために書き出した「できること」のリストです。
これらを5〜7個のカテゴリに分類してください。
カテゴリ名は私が一般的に理解できる言葉にしてください。
各カテゴリに含まれる項目数も教えてください。
# できることリスト
(ここに100個のリストを貼り付ける)
このプロンプトのポイントは「5〜7個のカテゴリ」と指定していることだ。
自由に分類させると、細かすぎるカテゴリが30個以上できてしまうことがある。 数を絞ることで、大きな傾向が見えやすくなる。
第2投——気になったカテゴリを深掘りする
プロンプト例(第2投)
「コミュニケーション・調整」カテゴリに含まれている項目を、
さらに詳しく分けてください。
「どんな相手に対して」「どんな状況で」という視点で整理してください。
第1投で大枠を掴んだ後、気になったカテゴリだけを深掘りする。
すべてのカテゴリを深掘りする必要はない。 転職先で活かしたいカテゴリを1〜2個選んで、そこだけ詳しくする。
第3投——転職先との対応を確認する
プロンプト例(第3投)
私は企画職への転職を考えています。
企画職で一般的に求められるスキルと、
私のリストの中で対応するものを教えてください。
対応していないスキルがあれば、それも教えてください。
この第3投が、この作業で一番重要だ。
「自分が持っているもの」と「転職先が求めているもの」の 重なりと隙間を、AIに整理させる。
重なりが強みになり、隙間が「入社後に補う課題」になる。
分類結果から何を読み取るか
AIが分類結果を返してきた時、私が最初に見たのは 「どのカテゴリが一番多いか」だった。
私の場合、こんな結果になった。
分類結果のサンプル(私の場合)
コミュニケーション・調整
32個
上下左右の関係者調整、認識合わせ、共通言語でのコミュニケーション、ファシリテーション など
技術・設計
28個
仕様書作成、UML活用、プログラミング経験、実現可能性の判断 など
分析・判断
18個
データ分析、優先度付け、仮説検証、感覚ではなく数字で判断 など
マネジメント
14個
スケジュール管理、進捗確認、任せる・管理するの判断 など
その他
8個
文書作成、プレゼン、外部交流 など
この結果を見た時、私は驚いた。 自分では「技術系の人間だ」と思っていたのに、
一番多かったのは「コミュニケーション・調整」だった。 100個のうち32個が、この領域に集まっていた。
分類結果を見た時に思ったこと
設計者として10年働いてきたのに、技術より調整のスキルの方が多い。
考えてみれば、設計の仕事の大半は「企画者と実装者と評価者の間に立って、認識を合わせること」だった。
自分では「設計の仕事」だと思っていたが、実態は「調整の仕事」だったのかもしれない。
そしてその調整力こそが、企画職で活きるのではないか。
この気づきが、軸を見つける作業の出発点になった。 「自分はコミュニケーション・バランス・データ分析ができる、 だから売れる商品が作れる」という確信は、 この分類結果から生まれている。
分類結果の、3つの読み方
一番多いカテゴリが「本当の強み」だ
意識してやってきたことより、無意識にやってきたことの方が、実は強みになっていることが多い。一番多いカテゴリは、自分が「普通のこと」だと思っていたが、実は他の人より多くやってきたことだ。それが本当の強みだ。
少ないカテゴリが「転職先での課題」になる
私の場合、「分析・判断」は18個だった。企画職ではデータ分析力が必要だとわかっていたが、相対的に少なかった。これが転職後に補うべき課題として明確になった。弱みを知ることで、入社後の学習計画が立てやすくなる。
カテゴリの「組み合わせ」が差別化になる
「コミュニケーション力がある人」は多い。「技術力がある人」も多い。でも「コミュニケーション力と技術力の両方がある人」は少ない。単一のカテゴリではなく、複数のカテゴリの組み合わせが、差別化のポイントになる。私が企画職で採用された理由は、この組み合わせにあった。
AIは「答え」を出してくれない。「問い」を出してくれる
AIに分類させると、一瞬で結果が返ってくる。 でもその結果は、「答え」ではない。
AIが出してくれるのは「問い」だ。「なぜこのカテゴリが一番多いのか」「この組み合わせをどう活かすか」——その問いに自分で答えることで、初めて自己分析になる。
AIの分類結果を見て「なるほど」で終わらせないでほしい。 「なぜそうなったのか」「それは転職先でどう使えるか」を、 自分の言葉で考える時間を取ってほしい。 その思考が、Excelマトリクスに落とし込む次のステップの土台になる。
分類は手段だ。目的は「自分の強みを言葉にすること」だ。
AIが分類した結果を、自分の言葉で説明できるようになった時、 エージェントや面接官に伝わる強みになる。
スキルの分類が終わったら、エージェントへの資料として整える段階に入る。 リクルートエージェントは、この段階の資料を持って行くと 面談の質が変わった。まずは登録して、話してみてほしい。


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