「要件定義書を書いたのに、レビューで何度も差し戻される…」
そんな経験はありませんか?
45歳のあなたは、これまで20年間プログラマとして多くのシステムを開発してきました。しかし、上流工程への転換を目指すとき、最初の壁が「要件定義書の作成」です。
プログラムを書くのは得意でも、「誰が読んでも理解でき、合意が得られる文書」を書くのは全く別のスキルです。
「何を書けばいいのか分からない」「書いても曖昧だと指摘される」「関係者の合意が取れない」——その悩み、よくわかります。
でも、安心してください。要件定義書の書き方には、明確な「型」があります。その型を理解し、レビュー観点を押さえれば、1ヶ月で実務レベルの要件定義書が書けるようになります。
この記事では、通勤時間30分+夜の30分=1日1時間で、ステークホルダーから「この要件定義書なら合意できる」と言われる文書作成スキルを身につける方法をお伝えします。
完璧を目指す必要はありません。まずは「今日から始める小さな一歩」として、要件定義書の基本構成を理解しましょう。
第1章:なぜ要件定義書が重要なのか?
結論
要件定義書は、システム開発の成否を決める最重要ドキュメントです。
理由
要件定義書が不十分だと、以下の問題が発生します。
開発フェーズでの手戻り:仕様が曖昧なため、何度も設計をやり直す
ステークホルダー間の認識齟齬:顧客、開発チーム、経営層で理解が異なる
プロジェクト炎上:スコープが不明確で、際限なく機能追加を要求される
実際、IPA(情報処理推進機構)の調査では、**プロジェクト失敗の原因の約60%が「要件定義の不備」**とされています。
逆に言えば、要件定義書をしっかり作成できる人材は、市場価値が非常に高いのです。上流工程を担当するITコンサルタントやソリューションアーキテクトの年収が650万円以上なのは、この「要件定義力」が評価されているからです。
具体例
46歳でプログラマからITコンサルタントに転職したNさんは、こう語ります。
「面接で『要件定義書を書いた経験は?』と聞かれ、前職で作成した要件定義書のサンプルを見せました。『ステークホルダー別の承認欄がある』『非機能要件まで明記されている』と評価され、その場で『ぜひ来てほしい』と言われました。年収は500万円から680万円に上がりました」
要件定義書を「書ける」ことは、上流工程への扉を開く鍵なのです。
まとめ
要件定義書は、システム開発の成功を左右する最重要文書であり、上流工程を目指すなら必須のスキルです。今日から学習を始めることで、1ヶ月後には転職市場で評価される文書作成力が身につきます。
第2章:要件定義書の基本構成 – 7つの必須要素
結論
要件定義書には、必ず含めるべき7つの要素があります。
理由
要件定義書に「決まった型」がないと思っている人が多いですが、実は業界標準の構成があります。この7つの要素を押さえれば、レビューで「何が足りない」と指摘されることはなくなります。
具体例
要件定義書の7つの必須要素
1. プロジェクト概要
- プロジェクトの背景と目的
- ステークホルダー(関係者)の一覧
- プロジェクトのスコープ(範囲)
2. 業務要件
- 現状の業務フロー(As-Is)
- 理想の業務フロー(To-Be)
- 解決すべき課題
3. 機能要件
- システムが提供すべき機能の一覧
- 各機能の詳細仕様
- 優先順位
4. 非機能要件
- 性能要件(レスポンスタイム、処理件数)
- セキュリティ要件
- 運用・保守要件
5. 制約条件
- 予算
- スケジュール
- 技術的制約(既存システムとの連携等)
6. 画面・帳票一覧
- 画面遷移図
- 帳票のサンプル
7. 承認・合意欄
- ステークホルダー別の承認サイン欄
- レビュー履歴
各要素の重要性
多くの初心者が「機能要件」だけを詳細に書き、非機能要件や制約条件を軽視します。しかし、システムが「動く」ことと「業務で使える」ことは別です。
例えば、ECサイトの要件定義で「商品検索機能」を詳細に定義しても、「1秒以内にレスポンスを返す」という性能要件がなければ、実際には使い物にならないシステムになってしまいます。
まとめ
要件定義書の7つの必須要素を理解し、すべてを網羅することで、レビューで差し戻されない文書が書けるようになります。特に非機能要件と制約条件を忘れないようにしましょう。
関連記事
要件定義の進め方完全ガイド – 顧客の真のニーズを引き出すヒアリング技法 要件定義書を書く前に、顧客から正しく要件を引き出すヒアリング技法を学びましょう。
第3章:曖昧さを排除する文章の書き方 – 5W1Hと定量化
結論
要件定義書で最も重要なのは、**「誰が読んでも同じ理解ができる」**ことです。
理由
要件定義書のレビューで最も多い指摘が「曖昧」「不明確」です。
例えば、以下のような記述はすべてNGです。
- ❌「画面は使いやすくする」
- ❌「処理は高速に行う」
- ❌「セキュリティを強化する」
これらはすべて、読む人によって解釈が異なるからです。
「使いやすい」とは何か? 「高速」とは何秒以内か? 「セキュリティ強化」とは具体的に何をするのか?
これらを明確にするのが、5W1Hと定量化です。
具体例
曖昧な表現を明確にする方法
悪い例:「画面は使いやすくする」
良い例:「商品検索画面では、キーワード入力後、1秒以内に検索結果を表示する。検索結果は1ページあたり20件表示し、ページネーションで次ページに遷移できる」
悪い例:「セキュリティを強化する」
良い例:「ログイン機能では、3回連続でパスワードを間違えた場合、そのアカウントを30分間ロックする。パスワードは英数字8文字以上とし、90日ごとに変更を促す」
悪い例:「処理は高速に行う」
良い例:「商品登録処理は、1件あたり0.5秒以内に完了する。バッチ処理では、1万件の商品データを10分以内に処理する」
5W1Hで記述する習慣
- Who(誰が):どのユーザー(顧客、管理者、営業担当者等)が使うのか
- What(何を):どの機能を使うのか
- When(いつ):どのタイミングで使うのか
- Where(どこで):どの画面・システムで使うのか
- Why(なぜ):なぜその機能が必要なのか(業務上の理由)
- How(どのように):具体的にどう動作するのか
まとめ
曖昧さを排除するには、5W1Hで記述し、数値で定量化することが必須です。「使いやすい」「高速」といった主観的な表現は避け、具体的な基準を明記しましょう。
【おすすめ学習教材】
Udemy – 要件定義のための業務フロー図とUML入門 要件を視覚化し、曖昧さを排除する方法を学べます。
Kindle Unlimited – 要件定義のチェックリスト 月額980円で、要件定義に関する実務書が読み放題。通勤時間に読むだけで知識が身につきます。
第4章:非機能要件の書き方 – 見落としがちな重要要素
結論
非機能要件は、機能要件と同じくらい重要です。
理由
多くのプログラマが「機能要件」に注力し、非機能要件を軽視します。しかし、非機能要件が不十分だと、以下の問題が発生します。
システムが遅くて使えない:性能要件が未定義のため、レスポンスが悪い
セキュリティ事故:セキュリティ要件が曖昧で、脆弱性が残る
運用コストの増加:保守性が考慮されておらず、運用負荷が高い
実際、非機能要件の定義不足が原因でシステムが使われなくなった事例は枚挙にいとまがありません。
具体例
非機能要件の6つのカテゴリ
1. 性能要件
- レスポンスタイム:「画面表示は1秒以内」
- スループット:「同時アクセス数100ユーザーまで対応」
- 処理件数:「バッチ処理で1時間あたり10万件処理」
2. セキュリティ要件
- 認証:「多要素認証(MFA)を導入」
- アクセス制御:「管理者、一般ユーザー、閲覧のみユーザーの3段階の権限設定」
- 暗号化:「個人情報は暗号化して保存」
3. 可用性要件
- 稼働率:「99.9%以上の可用性を確保」
- バックアップ:「毎日深夜2時に自動バックアップ」
- 障害復旧:「障害発生時、4時間以内に復旧」
4. 拡張性要件
- スケーラビリティ:「ユーザー数が2倍になっても対応可能な設計」
- 将来の機能追加:「APIを公開し、外部システムとの連携を容易にする」
5. 保守性要件
- ドキュメント:「詳細設計書、運用マニュアルを整備」
- コード品質:「コードレビューを必須とし、テストカバレッジ80%以上」
6. 運用要件
- 監視:「エラーログを自動で収集し、異常時にアラート通知」
- バージョン管理:「年1回のメジャーアップデート、月1回のマイナーアップデート」
IPA(情報処理推進機構)の非機能要件フレームワーク
IPAが公開している「非機能要件グレード」を参考にすると、網羅的に非機能要件を定義できます。これは無料でダウンロード可能なので、要件定義書作成時の必須ツールです。
まとめ
非機能要件は、システムの「使いやすさ」「安全性」「持続可能性」を決める重要な要素です。機能要件だけでなく、非機能要件も必ず定義しましょう。
関連記事
非機能要件の定義技法 – 性能・セキュリティ・運用要件の具体化 非機能要件の詳細な定義方法を学べます。
セキュリティ基礎とOWASP Top 10対策 – Webアプリケーションの脆弱性対策入門 セキュリティ要件を定義する際の基礎知識を身につけましょう。
第5章:ステークホルダー別の記述レベル – 誰のための文書か?
結論
要件定義書は、読者(ステークホルダー)によって記述レベルを変える必要があります。
理由
要件定義書の読者は多様です。
- 経営層:投資判断のため、コストとROIを重視
- 業務担当者:業務フローと操作性を重視
- 開発チーム:技術仕様と実装可能性を重視
- 運用チーム:保守性と運用コストを重視
すべての読者に同じレベルで説明すると、誰にとっても分かりにくい文書になります。
具体例
ステークホルダー別の記述例
経営層向け(エグゼクティブサマリー)
「本システム導入により、受注処理時間を50%削減し、年間1,200万円のコスト削減を実現します。投資額は3,000万円、投資回収期間は2.5年です」
業務担当者向け(業務要件)
「現状は、受注データをExcelで管理していますが、新システムでは受注データを自動でシステムに取り込み、在庫確認から出荷指示までを一元管理します。これにより、手作業によるミスを削減し、処理時間を半分にします」
開発チーム向け(機能要件)
「受注データ取込機能では、CSVファイルをアップロードし、バリデーションを実行します。バリデーションエラーがある場合、エラー内容をリスト表示し、修正後に再アップロード可能とします」
運用チーム向け(運用要件)
「システムは毎日深夜2時にバックアップを実行します。バックアップデータは30日間保存し、障害発生時は直近のバックアップから復旧します。監視ツールでCPU使用率、メモリ使用率を常時監視し、80%を超えた場合はアラート通知します」
まとめ
要件定義書は、読者によって記述レベルを変えることで、すべてのステークホルダーから合意を得やすくなります。エグゼクティブサマリー、業務要件、機能要件、運用要件を分けて記述しましょう。
関連記事
プレゼンテーションとピッチ技術 – エンジニアが技術を伝える・売り込む力 ステークホルダーに分かりやすく説明する技術を学べます。
第6章:レビュー観点とチェックリスト – 差し戻されない文書の条件
結論
要件定義書のレビューには、明確なチェックリストがあります。
理由
レビューで差し戻される理由は、ほぼ決まっています。以下のチェックリストを事前に確認すれば、レビューで指摘される項目を90%削減できます。
具体例
要件定義書レビューチェックリスト
【完全性】すべての要素が含まれているか?
- ☑ プロジェクト概要が記載されているか
- ☑ 業務要件(As-Is/To-Be)が明記されているか
- ☑ 機能要件がすべて列挙されているか
- ☑ 非機能要件(性能、セキュリティ、可用性等)が定義されているか
- ☑ 制約条件(予算、スケジュール、技術的制約)が明記されているか
【明確性】曖昧さがないか?
- ☑ 「使いやすい」「高速」などの主観的表現を使っていないか
- ☑ すべての機能が5W1Hで記述されているか
- ☑ 数値で定量化されているか(レスポンスタイム、処理件数等)
- ☑ 専門用語に定義が付記されているか
【一貫性】矛盾がないか?
- ☑ 機能要件と非機能要件で矛盾がないか(例:高速処理を要求しながら、低スペックサーバーを指定)
- ☑ 業務フローと画面遷移が一致しているか
- ☑ 用語の使い方が統一されているか(例:「ユーザー」と「利用者」の混在)
【追跡可能性】要件の根拠が明確か?
- ☑ 各要件がどの業務課題に対応しているか明記されているか
- ☑ ステークホルダーの要望が反映されているか
- ☑ 要件変更時の履歴が記録されているか
【検証可能性】テスト可能か?
- ☑ 各機能が「どうなれば合格か」が明確に定義されているか
- ☑ 非機能要件が測定可能な形で定義されているか(例:「レスポンスタイム1秒以内」)
【承認】合意が得られているか?
- ☑ ステークホルダー全員の承認サイン欄があるか
- ☑ レビュー履歴が記録されているか
まとめ
レビューで差し戻されないためには、事前にチェックリストで自己点検することが重要です。特に「完全性」「明確性」「一貫性」の3つを重点的に確認しましょう。
【ドキュメント管理におすすめ】
Notion 要件定義書のテンプレート管理、レビュー履歴の記録、チェックリストの管理がすべて1つのツールで完結します。無料プランでも十分使えます。
Confluence チーム全体で要件定義書を共有し、コメント機能でレビューを効率化できます。大規模プロジェクトに最適です。
関連記事
基本設計(外部設計)の全体像 – 画面・帳票・IF設計の進め方 要件定義書をもとに基本設計書を作成する方法を学べます。
第7章:承認プロセスとステークホルダー管理
結論
要件定義書は、すべてのステークホルダーから承認を得て初めて完成します。
理由
どれだけ完璧な要件定義書を書いても、ステークホルダーの承認がなければ意味がありません。特に以下のような状況では、プロジェクトが進まなくなります。
顧客と開発チームで認識が異なる:開発後に「こんなはずじゃなかった」と言われる
経営層の承認が得られない:予算が下りず、プロジェクトが中止になる
運用チームが納得していない:運用開始後、「こんな運用はできない」とクレームになる
具体例
承認プロセスの4ステップ
STEP
ドラフト版の作成と関係者への事前共有(所要時間:1週間)
まずは完璧でなくてもドラフト版を作成し、主要なステークホルダーに共有します。この段階で大きな方向性の合意を得ることで、後の手戻りを防げます。
STEP
個別レビュー(所要時間:1週間)
ステークホルダーごとに個別レビューを実施します。経営層、業務担当者、開発チーム、運用チームそれぞれの視点で確認してもらい、フィードバックを収集します。
STEP
修正版の作成と再共有(所要時間:3日)
フィードバックをもとに修正版を作成し、再度共有します。この段階で大きな変更がないことを確認します。
STEP
正式承認(所要時間:1日)
最終版をすべてのステークホルダーに提示し、承認サインをもらいます。承認サインは、紙またはデジタル署名で記録します。
承認を得るための3つのポイント
1. 早めに巻き込む
要件定義書を完成させてから見せるのではなく、ドラフト段階で共有することで、「自分も作った」という当事者意識を持ってもらえます。
2. 視覚化する
文章だけでなく、図表や画面モックアップを使うことで、非エンジニアでも理解しやすくなります。
3. 反対意見を歓迎する
「何か不明点はありますか?」と聞くのではなく、「ここは分かりにくくないですか?」と聞くことで、率直なフィードバックを得られます。
まとめ
要件定義書は、書くことと同じくらい「承認を得ること」が重要です。早めにステークホルダーを巻き込み、個別レビューを経て、正式承認を得るプロセスを必ず踏みましょう。
関連記事
ユーザーストーリーマッピングの実践 – 顧客視点でプロダクトを構想する ステークホルダーと一緒に要件を整理する手法を学べます。
第8章:要件定義書のテンプレートと実践例
結論
要件定義書は、テンプレートを使うことで効率的に作成できます。
理由
ゼロから要件定義書を作るのは時間がかかります。テンプレートを使えば、構成を考える時間を削減でき、内容に集中できます。
具体例
要件定義書テンプレートの基本構成
【要件定義書】
1. プロジェクト概要
1.1 プロジェクト名
1.2 プロジェクトの背景と目的
1.3 ステークホルダー一覧
1.4 プロジェクトスコープ
2. 業務要件
2.1 現状業務フロー(As-Is)
2.2 理想業務フロー(To-Be)
2.3 解決すべき課題
3. 機能要件
3.1 機能一覧
3.2 各機能の詳細仕様
3.3 優先順位
4. 非機能要件
4.1 性能要件
4.2 セキュリティ要件
4.3 可用性要件
4.4 拡張性要件
4.5 保守性要件
4.6 運用要件
5. 制約条件
5.1 予算
5.2 スケジュール
5.3 技術的制約
6. 画面・帳票一覧
6.1 画面遷移図
6.2 画面一覧
6.3 帳票一覧
7. 承認・合意
7.1 承認者一覧
7.2 承認サイン欄
7.3 レビュー履歴
実践例:ECサイトの要件定義書(抜粋)
1. プロジェクト概要
1.1 プロジェクト名:「ABC社オンラインショップ構築プロジェクト」
1.2 背景と目的:実店舗の売上減少に対応するため、オンライン販売チャネルを構築し、年間売上を20%増加させる
1.3 ステークホルダー:代表取締役、営業部長、システム部長、開発ベンダー
1.4 スコープ:商品検索、カート、決済、会員管理機能を含む。在庫管理システムとの連携は次フェーズ
3. 機能要件(抜粋)
3.1.1 商品検索機能
- Who:サイト訪問者(非会員含む)
- What:キーワード、カテゴリ、価格帯で商品を検索
- When:サイトアクセス時、いつでも
- Where:トップページ、商品一覧ページ
- Why:顧客が欲しい商品を素早く見つけるため
- How:検索窓にキーワードを入力し、1秒以内に検索結果を表示。結果は1ページ20件表示、ページネーション機能あり
4. 非機能要件(抜粋)
4.1 性能要件
- レスポンスタイム:画面表示は1秒以内、検索処理は0.5秒以内
- 同時アクセス数:1,000ユーザーまで対応
- ピーク時対応:セール時の同時アクセス数3,000ユーザーまで対応
4.2 セキュリティ要件
- SSL/TLS暗号化通信
- クレジットカード情報は保存せず、決済代行サービスを利用
- パスワードはハッシュ化して保存
まとめ
テンプレートを使うことで、要件定義書の作成時間を大幅に短縮できます。初めて作成する場合は、テンプレートを参考に、自社のプロジェクトに合わせてカスタマイズしましょう。
【ドキュメント作成におすすめ】
Udemy – 要件定義書の書き方実践講座 実際のプロジェクトで使えるテンプレートと記述例を学べます。
Kindle Unlimited – 要件定義のチェックリスト 月額980円で、要件定義のテンプレート集や実践ガイドが読み放題。通勤時間に読むだけで実務レベルの知識が身につきます。
関連記事
基本設計書のドキュメント構成 – 保守性の高い設計書作成術 要件定義書をもとに、基本設計書を作成する方法を学べます。
詳細設計書のドキュメント作成 – 実装者が迷わない仕様書の書き方 設計書全体の一貫性を保つ方法を学べます。
第9章:要件変更管理とバージョン管理
結論
要件は必ず変更されます。変更管理の仕組みを最初から組み込みましょう。
理由
プロジェクトが進むと、顧客からの追加要望や、技術的な制約による変更が必ず発生します。このとき、変更管理の仕組みがないと、以下の問題が起きます。
- どの要件が最新か分からなくなる
- 変更の影響範囲が不明確で、手戻りが発生する
- スコープが際限なく拡大する(スコープクリープ)
具体例
要件変更管理の3つのルール
1. 変更管理表を作成する
すべての変更を記録する表を作成します。
| 変更ID | 変更日 | 変更内容 | 変更理由 | 影響範囲 | 承認者 | ステータス |
|---|---|---|---|---|---|---|
| REQ-001 | 2026/01/15 | 決済方法にPayPay追加 | 顧客要望 | 決済機能、テスト | 営業部長 | 承認済み |
| REQ-002 | 2026/01/18 | レスポンスタイムを2秒→1秒に変更 | 性能改善 | インフラ、コスト | システム部長 | 検討中 |
2. 影響範囲分析を必須にする
要件変更時は、以下の影響を必ず分析します。
- スケジュールへの影響
- コストへの影響
- 他の要件への影響
- テスト範囲への影響
3. 承認プロセスを経る
すべての変更は、ステークホルダーの承認を得てから反映します。口頭での「ちょっと変えて」は絶対に受け入れません。
バージョン管理の方法
要件定義書にはバージョン番号を付けます。
- v1.0:初版(正式承認版)
- v1.1:軽微な修正(誤字脱字、表現の明確化)
- v2.0:大きな変更(機能追加、仕様変更)
各バージョンで「変更履歴」を記録します。
【変更履歴】
v1.0 (2026/01/10):初版作成
v1.1 (2026/01/15):3.1.2 決済機能にPayPay追加
v2.0 (2026/01/20):4.1 性能要件を全体的に見直し
まとめ
要件は必ず変更されることを前提に、変更管理表とバージョン管理の仕組みを最初から組み込みましょう。変更の影響範囲を分析し、承認プロセスを経ることで、スコープクリープを防げます。
【バージョン管理におすすめ】
GitHub 要件定義書をGitで管理すれば、変更履歴が自動で記録され、過去のバージョンにいつでも戻れます。
Confluence ページバージョン管理機能があり、誰がいつ何を変更したかが一目で分かります。
関連記事
設計変更管理とバージョン管理 – 仕様変更に強い設計プロセス 要件定義だけでなく、設計フェーズ全体での変更管理を学べます。
アジャイル開発とスクラムマスター入門 – チームの生産性を最大化するフレームワーク 要件変更に柔軟に対応するアジャイル開発の手法を学べます。
第10章:今日から始める3つの行動
結論
この記事を読んだ「今」が、上流工程エンジニアへの第一歩です。
理由
要件定義書を書けるようになることは、上流工程への扉を開く鍵です。まずは、以下の3つの小さな行動から始めてください。
具体例
STEP
テンプレートをダウンロードする(所要時間:10分)
今すぐ要件定義書のテンプレートをダウンロードし、自分のプロジェクトに当てはめてみてください。完璧でなくても、まずは「型」を理解することが重要です。
おすすめ:Udemy – 要件定義書の書き方実践講座 実務で使えるテンプレートと記述例が豊富に含まれています。
STEP
過去のプロジェクトを振り返る(所要時間:30分)
過去に参加したプロジェクトで、「要件が曖昧だった」「手戻りが多かった」という経験を思い出してください。そのとき、要件定義書に何が足りなかったのかを分析しましょう。
STEP
小さなプロジェクトで実践する(所要時間:1週間)
社内の小規模なプロジェクトや、個人開発のプロジェクトで、要件定義書を実際に書いてみてください。完璧を目指さず、まずは「書く」ことが重要です。
3つの行動を実行した人の変化
44歳プログラマ・Kさん(1週間で3つの行動を完了):
「記事を読んで、『要件定義書を書けるようになれば上流工程に行ける』と確信しました。その日のうちにUdemyで講座を購入し、テンプレートをダウンロード。翌週、社内の小規模プロジェクトで要件定義書を書いてみたところ、上司から『こんなに詳細な要件定義書を書けるとは思わなかった』と評価されました。これが自信につながり、転職活動を開始しました」
まとめ
この3つのステップは、それぞれ1日で完了できます。つまり、1週間あれば上流工程エンジニアへの第一歩を踏み出せるのです。
【今すぐ始める学習セット】
Udemy – 要件定義・業務分析講座 要件定義書の書き方から、業務フロー分析まで体系的に学べます。セール時なら1,200円〜。
Kindle Unlimited無料体験 30日間無料。要件定義に関する実務書を通勤時間に読めます。
Notion 要件定義書のテンプレート管理、レビュー履歴の記録がすべて無料プランで可能。今日から使い始めましょう。
関連記事
システム化範囲の決定とフェーズ分割 – ROI最大化のための優先順位付け 要件定義で決めた機能をどう優先順位付けし、フェーズ分割するかを学べます。
まとめ
要件定義書作成スキル習得ロードマップ
第1週:基本構成の理解 →7つの必須要素を理解し、テンプレートを入手
第2週:記述技法の習得 →5W1Hと定量化で、曖昧さを排除する練習
第3週:非機能要件の定義 →性能、セキュリティ、可用性などの非機能要件を明記
第4週:実践とレビュー →小規模プロジェクトで要件定義書を作成し、チェックリストでレビュー
1ヶ月後:上流工程への転職準備 →要件定義書のサンプルを武器に、ITコンサルタント・ソリューションアーキテクトの求人に応募
最後に:45歳のあなたへ
「要件定義書なんて、今さら書けるのか?」——その不安は、今日で捨ててください。
あなたには20年の開発経験があります。その経験こそが、「顧客が本当に求めているもの」を理解する力になります。若手が表面的な要件を書き写している間に、あなたは業務の本質を理解し、実務で使える要件定義書を書けるのです。
行動しなければ、何も変わりません。
でも、今日テンプレートをダウンロードし、今週小さなプロジェクトで実践すれば、来週のあなたは「要件定義書が書けるエンジニア」になっています。
1ヶ月後、あなたは「上流工程を担当できるITコンサルタント」として、年収650万円以上のオファーを手にしているはずです。
その第一歩を、今日、踏み出しましょう。
【今日から始める学習セット – 最後のご案内】
Udemy講座 セール中なら1,200円〜。要件定義から上流スキルまで幅広くカバー。
Kindle Unlimited 30日間無料体験。通勤時間が学習時間に変わります。
Notion 要件定義書のテンプレート管理と進捗記録に最適。無料プランでも十分使えます。
Google Workspace 要件定義書を複数人で共同編集し、リアルタイムでレビューできます。チーム開発に最適です。
関連記事
要件定義の進め方完全ガイド – 顧客の真のニーズを引き出すヒアリング技法 要件定義書を書く前段階のヒアリング技法を学べます。
業務フロー分析とAs-Is/To-Be設計 – 現状把握から理想業務への変革設計 業務要件を正しく理解するための分析手法を学べます。
ユースケース図とユースケース記述の実践 – システム機能を漏れなく定義する 機能要件を視覚化し、漏れなく定義する手法を学べます。
Toddあなたの成功を、心から応援しています。


コメント