妻に転職を反対された日。そこから1ヶ月で、納得を得た話。

妻に転職を反対された日。 そこから1ヶ月で、納得を得た話。

妻に転職の話を切り出したのは、夜の食卓だった。

子どもたちが寝静まり、二人だけになったタイミングを選んだ。 「実は、転職を考えている」—— そう言った瞬間、妻の表情が変わったのを覚えている。 驚きでも怒りでもなく、何かが固まったような顔だった。

しばらく沈黙があった後、妻は静かに言った。

「40代での転職は、リスクが高いと思う。」

その言葉は、予想していた。 でも実際に言われると、想像以上に重かった。 私はその夜、何も言い返せなかった。

目次

妻が恐れていたのは、「転職」ではなかった

翌日から、妻との対話が始まった。 最初は私が「転職したい理由」を話し、妻が「不安な理由」を話す、 という形で進めようとした。 でもすぐに気づいた。妻が恐れているのは「転職」そのものではなかった。

妻の言葉を聞いていくと、不安は大きく四つに分かれていた。

理由
お金のこと

今の貯金でどのくらい生活できるか。転職後に年収が下がった場合、家計はどうなるか。住宅ローンは払い続けられるか。

理由
子どものこと

生活が変わることで、子どもに影響が出ないか。上の子は学校の友達ができ始めていた。引っ越しが必要になった場合、その環境が壊れないか。

理由
転職先が合わなかった場合のこと

新しい職場でうまくやれなかったら、どうするのか。また転職するのか。それが繰り返されないか。

理由
私自身のこと

今の仕事への不満は本物か。転職して本当に解決するのか。転職先でも同じ不満を抱えることにならないか。

聞いていて、胸に刺さった。 特に最後の「私自身のこと」—— 「転職して本当に解決するのか」という問いは、私自身がまだ答えを持っていなかった。

最初の1週間、私は間違えていた

妻の不安を聞いた後、私は「説得しよう」という気持ちで臨んでいた。 転職したい理由を丁寧に話せば、わかってもらえると思っていた。

でも最初の1週間は、空回りし続けた。

私が言ったこと

今の仕事は限界だ。このまま続けても、モチベーションが戻ることはない。自分のやりたいことをやれる場所に移りたい。

妻の反応

あなたのやりたいことはわかった。でも、もし転職先が合わなかったら?その時、私たちはどうなるの?

私は「自分の話」をしていた。 妻は「私たちの話」を聞きたかった。

その噛み合わなさに、最初の1週間は気づかなかった。

1週間後、一人で振り返った時に気づいたこと

私は妻を「説得する相手」だと思っていた。
でも妻が求めていたのは、説得ではなく対話だったのではないか。
自分の思いを伝えることと、相手の不安を受け取ることは、別のことだ。私は前者しかやっていなかった。

2週目から、変えたことが一つある

2週目から、私は話し方を変えた。 「転職したい理由」を話すのをやめた。 代わりに、妻の不安を一つひとつ、一緒に考えることにした。

まず、お金の話から始めた。 家計の収支を一緒に見直し、転職後に年収が何割下がったとしても 何ヶ月分の生活費が手元にあるかを計算した。 住宅ローンの残高と、毎月の返済額も改めて確認した。

次に、転職先が合わなかった場合の話をした。 「もう転職はしない」という約束を求められた。 私はそれには応じなかった。 でも「上場企業に絞る」「在職中に活動する」という条件を出した。 その条件が、お互いの妥協点になっていった。

週に3回、1回1時間ほど、そういう対話を続けた。 感情的になることもあった。 「そこまでして転職したいのか」と言われた夜もあった。

「そこまでして転職したいのか」——その問いに、私は「したい」と答えた。
その言葉が出た瞬間、自分でも驚いた。3年間迷い続けた自分が、初めてはっきりと答えを出した瞬間だった。

妻が動いたのは、「納得」ではなく「信頼」だったと思う

1ヶ月後、妻は「やってみれば」と言った。

その言葉は、「転職に賛成した」という意味ではなかったと思っている。 不安が消えたわけでもなかった。 それでも「やってみれば」と言えたのは、妻なりの信頼の表し方だったのだと感じた。

振り返ると、妻が動いたのは私が「説得した」からではなかった。

逃げずに向き合い続けたこと。不安を否定せず、一緒に考えたこと。「したい」という気持ちを、ごまかさずに伝えたこと。

その積み重ねが、妻の中で何かを変えたのだと思っている。 「この人は本気だ」と思ってもらえた時に、初めて「やってみれば」が出てきた。

家族に相談することを、後回しにしないでほしい

転職を考えている人の中には、家族への相談を後回しにしている人が多いと思う。 私もそうだった。 「反対されたら動けなくなる」という恐怖が、相談を遅らせていた。

でも実際には、相談を遅らせることの方が、家族に与える影響は大きかった。 隠しながら転職活動を進めることで、家の空気は確実に変わる。 子どもはその変化を、大人より敏感に感じ取る。

早く相談することで、反対されるかもしれない。 でも早く相談することで、一緒に考える時間が生まれる。 反対は、対話の始まりだ。終わりではない。

妻が「やってみれば」と言うまでに1ヶ月かかった。 その1ヶ月は、苦しかったが、必要な時間だったと今は思っている。 一人で抱えたまま動いていたら、転職が成功しても、 何かが家族の間に残ったような気がする。

怖くても、話してほしい。 動かないことにもコストがかかるのと同じように、 話さないことにもコストがかかる。

転職を考え始めたら

家族への相談と並行して、自分の市場価値を客観的に把握しておくと、 対話の中で具体的な話ができるようになる。 リクルートエージェントへの登録は無料で、相談だけでも現在地が見えてくる。

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