4社に落ちた。 4社を断った。 9社目の面接に向かう電車の中で、私は少し疲れていた。
疲れていたが、諦めてはいなかった。 落ちた面接から学び、断った面接で軸が研ぎ澄まされていた。 「次で決めたい」という気持ちより、 「次が合わなければ、また次がある」という落ち着きに近いものがあった。
その面接で、「ここだ」と思った。 この記事は、その瞬間のことを書く。
入室した瞬間から、空気が違った
受付で名前を告げると、担当者がすぐに出てきた。 案内されながら、社内を歩いた。 廊下ですれ違う社員の顔が、どことなく明るかった。 それだけのことだが、気になった。
断った会社のうちの1社は、受付に通された瞬間から 違和感があった。空気が重かった。 あの感覚と、明らかに違った。
面接室に入ると、面接官が二人待っていた。 一人は人事担当、もう一人は企画部門の責任者だった。 二人とも、私が入室した時に立ち上がって挨拶をした。 小さなことだが、その所作に「この会社は人を丁重に扱う」という印象を受けた。
この面接が、他と違った3つのこと
面接が始まって、すぐに「今までと違う」と感じた。 具体的に何が違ったかを書く。
課題を正直に話してくれた
「今の企画部門に足りていないことは何ですか」と聞いた。良いことばかり言う会社を断った経験から、この問いへの答えで会社の文化がわかると学んでいた。面接官は少し間を置いてから、「お客様の声を定量的に分析する仕組みが弱い」と答えた。具体的だった。その弱みが、自分の強みと重なった。
「なぜ企画職なのか」を深く聞いてくれた
他の面接では「未経験なのに、なぜ企画職を志望するのか」という問いが多かった。この面接では違った。「設計者として、どんな企画に違和感を感じてきたか」と聞いてきた。私の経験の中身に、興味を持ってくれていた。その問いへの答えを話しながら、「この会社なら、自分の経験が活きる」という感覚が生まれた。
面接官が「一緒に考えよう」という姿勢だった
面接の後半、企画部門の責任者がこう言った。「あなたが転職後に一番不安なことは何ですか」と。採用する側が、入社後の不安を聞いてくれた。その問いへの答えを話すと、「そこは一緒に解決しましょう」という言葉が返ってきた。「評価する・される」の関係ではなく、「一緒に働く」という空気が、すでにあった。
「ここだ」と思った、具体的な瞬間
面接の終盤、企画部門の責任者がこう言った。
企画部門の責任者
設計から企画に来る人は、夢物語を書かない。それがうちに足りていないものだと思っている。あなたのような人材が企画にいると、チームの企画の質が変わると思う。
その言葉を聞いた瞬間、何かが固まった感覚があった。
「後工程を知ることが企画の武器になる」という確信を、 自分の中で持っていた。 でもそれを、面接官の口から言われたのは初めてだった。 「自分が思っていたことを、相手も同じように見ていた」という感覚だった。
自分の強みと、相手の弱みが重なった瞬間——それが「ここだ」の正体だったと思う。
「ここだ」は感情ではなかった。 論理だった。 「自分にできることが、この会社で必要とされている」という確認が、 瞬時にできた瞬間だった。
面接後、帰りの電車で何を考えたか
面接室を出て、エレベーターに乗った。 受付で「ありがとうございました」と言って、外に出た。 駅に向かって歩きながら、頭の中を整理した。
帰りの電車で書いたメモ
課題を正直に話してくれた。良いことばかりではなかった。
「設計から来た人は夢物語を書かない」という言葉が、刺さった。自分が持っていると思っていた強みを、向こうも必要としていた。
「一緒に解決しましょう」という言葉に、嘘がなさそうだった。
ここなら、軸を曲げずに働けると思う。
内定の連絡が来た時、迷わなかった。 妻との約束だった「上場企業」という条件も満たしていた。 承諾の電話をかけながら、妻に相談した日から ここまでの時間が、一瞬よぎった。
「ここだ」は、準備した人間にだけ来る
振り返ると、「ここだ」という感覚は、偶然やってきたわけではなかった。
落ちた面接で「相手の言葉を聞く」ことを学んだ。 断った面接で「何が合わないか」が明確になった。 軸を言語化していたから、「ここだ」と感じた瞬間に確認できた。 エージェントとの準備があったから、面接の場で落ち着いて話せた。
「ここだ」という感覚は、感情だと思っていた。 でも実際には、準備が積み重なった結果として、瞬時に判断できた論理だった。
落ちた経験も、断った経験も、すべてその準備の一部だった。 遠回りしたように見えて、必要な道のりだったと今は思っている。
「ここだ」と思える会社と出会うためには、複数の面接を経験することが必要だ。 リクルートエージェントは、比較できる選択肢を提供してくれた。 まずは登録して、選択肢を広げることから始めてほしい。


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