面白い仕事は若手へ。面白くない仕事は、自分へ。

管理職になってから、仕事の配分がおかしいと感じていた。

面白そうなプロジェクトは、若手に回る。 複雑で地味な調整業務は、自分に回ってくる。 若手が「これは自分には難しい」と断った仕事が、なぜか自分のデスクに積まれる。

これは、私の会社だけの話ではないと思っている。 管理職という立場が持つ、ある種の構造から来ている。

この記事では、なぜそういう状況が生まれるのかと、 それがわかっていても声を上げられなかった理由を書く。

目次

なぜ「面白い仕事が若手に回る」のか

管理職になると、こういう状況が生まれやすい。 個人の問題ではなく、仕組みの問題だ。

理由
若手の育成が管理職の評価に直結する。

若手が成長したかどうかが、管理職の評価に反映される組織は多い。そのため管理職は、意識的に若手に「成長できる仕事」を配分するようになる。それ自体は正しい判断だ。

理由
若手が断った仕事の受け皿が、管理職になる。

「これは自分には難しい」「これは自分の担当外だ」——若手がそう判断した仕事は、チームのどこかが拾わなければならない。その最終的な受け皿が、管理職になりやすい。

理由
管理職自身も、面白い仕事を手放すことに慣れていく。

「若手の成長のために」という大義名分があると、管理職は面白い仕事を若手に渡すことを「正しいこと」として受け入れ始める。その繰り返しの中で、自分の仕事への関心が少しずつ削られていく。

誰かが悪意を持ってそうしているわけではない。 組織として合理的に動いた結果、管理職に面白くない仕事が集まる構造になっている。 構造の問題だから、個人が努力しても変わりにくい。

実際に自分に回ってきた「面白くない仕事」

抽象的な話だけでは伝わらないので、実際に自分に回ってきた仕事を書く。

「不要だと思う機能の検討資料の作成」—— 若手が「これは意味がない」と判断して手をつけなかったもの。 でも上から降りてきた指示だから、誰かがやらなければならない。 結局、管理職が自ら手を動かした。

「大量のデータコピー作業」—— 自動化もされていない、単純な繰り返し作業。 若手に頼むと「これは自分の仕事ではない」という反応が来た。 時代的に「単純作業は断っていい」という空気があった。 管理職が巻き取るしかなかった。

「誰も参加したがらない社内会議の議事録作成」—— 誰が担当するかが決まっていない会議の記録は、 いつの間にか管理職のタスクになっていた。

面白い仕事は若手の「成長機会」になる。面白くない仕事は管理職の「当然の責務」になる。その非対称さに、言葉が出なかった。

それがわかっていても、声を上げられなかった理由

状況はわかっていた。理不尽だとも思っていた。 でも、声を上げられなかった。 なぜか。

「管理職なんだから、これくらいやるのが当然だ」という空気があった。それを破ることへの抵抗感があった。

若手に強く言うと「パワハラだ」と言われるリスクがあった。強く言えない分、自分でやるしかなかった。

組合に守られなくなっていたため、上位に異議を申し立てる正式なルートがなかった。「言える仕組み」がなかった。

「もっと頑張れば、好きな仕事もできるようになる」という上司の言葉を、まだ信じていた。

これらが重なって、「おかしい」と感じながら、 何も言えないまま仕事を引き受け続けた。 言えない状況が続くと、少しずつ「おかしい」という感覚も薄れていく。 それが一番怖いことだった。

気づいた時には、企画への関心も薄れかけていた

設計者の頃から、企画職への関心があった。 「なぜこの機能なのか」「お客様が本当に欲しいのはこれなのか」—— そういう問いを持ちながら仕事をしていた。

でも管理職になってから、その関心が薄れかけていた。 面白くない仕事が積み上がる中で、「もっとやりたいこと」を考えるエネルギーが削られていった。 「何かが終わった」という感覚は、 この企画への関心が薄れかけていたことと重なっていた。

その頃の手帳に書いた言葉

今日もデータコピーをした。なぜ自分がこれをやっているのかわからない。

以前は「この企画はこうした方がいい」と思いながら設計していた。今は、そこまで考える余裕がない。

余裕がないのか、関心が薄れたのか。どちらかわからなくなってきた。

この感覚が決定的になった頃、上司への相談に至った。 「もっと頑張れば」という言葉が、逆に転職への背中を押した。

「面白くない仕事が来る」ことより、「慣れてしまうこと」の方が怖い

この記事を書いた理由は、同じ状況にいる人に伝えたいことがあるからだ。

面白くない仕事が来ることは、つらい。でもそれより怖いのは、
「これが普通だ」と思い始めた時だ。おかしいと感じる感覚は、動くためのサインだ。

私は3年以上、そのサインを「慣れれば変わる」と言い聞かせながら過ごした。 慣れることはなかった。変わることもなかった。 ただ、おかしいと感じる感覚が少しずつ薄れていっただけだった。

面白くない仕事が来ることは、あなたのせいではない。 構造がそうなっているだけだ。

でも、その構造の中に居続けるかどうかは、自分で決められる。 動かないことにもコストがかかる。 おかしいと感じているなら、その感覚を大事にしてほしい。

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