転職活動の中で、一番しんどかった瞬間はいつかと聞かれたら、 迷わず答えられる。
面接に3社連続で落ちた後の、ある深夜だ。
子どもが寝て、妻も寝て、家の中が静かになった。 明日も現職に行かなければならない。 でも面接の準備もしなければならない。 睡眠時間は削るしかない。 そういう夜が続いていた時期の、一夜だ。
その夜、初めて「やめようか」と思った。
しんどさは、一気に来なかった
転職活動の消耗は、最初から大きかったわけではない。 じわじわと、層を重ねるように積み上がっていった。
月100時間の残業は続いている。その上に転職活動が乗ってくる。体力が削られていく。
疲れの上に、「自分は必要とされていないのか」という感覚が重なった。それが、一番しんどかった瞬間だった。
「やめようか」と思った夜に、考えたこと
深夜のダイニングで、一人で考えた。 誰にも話せない時間だった。
その夜の思考の流れ
やめれば、楽になる。睡眠も取れる。家族への後ろめたさも減る。現職に戻って、このまま続ければいい。
でも、現職に戻るとはどういうことか。また同じ日々が続く。あの消耗が続く。
「楽になる」のは今だけだ。1年後、2年後はどうか。
転職活動をやめた後の自分を、想像してみた。想像した瞬間、答えが出た。
「やめた後の自分」を想像した時、 その顔が前職で消耗していた時の自分と重なった。 転職活動をやめることで得られる「楽さ」は、 今の苦しさから逃げることであって、 根本の問題を解決することではない。 それだけのことが、静かに整理された。
「自分は必要とされていないのか」という感覚と、どう向き合ったか
3社連続で落ちた時、一番きつかったのは体力的な消耗ではなかった。 「自分は必要とされていないのではないか」という感覚だった。
40代・管理職・未経験職種。 そういう条件が、転職市場でどう見られているかを、 落ちるたびに突きつけられた気がした。
落ちた理由が「年齢」や「未経験」なのか、「自分の準備不足」なのかを、冷静に分けることができなかった。疲れている時は、すべてを「自分のせい」にしてしまう。
この感覚から抜け出したのは、エージェントに正直に話したからだった。 「3社連続で落ちた。何が悪かったのか教えてほしい」と、 そのまま伝えた。
担当者は、落ちた理由を一緒に整理してくれた。 「この面接は企業側がそもそも別のポジションを想定していた可能性がある」 「この面接はあなたの伝え方に改善の余地があった」—— 分けて考えることで、「すべて自分のせい」という感覚が薄れた。
エージェントに話した後に書いたメモ
「必要とされていない」と感じていたが、「伝わっていなかった」だけだった部分も大きかった。
落ちた理由を分析すると、対処できることが出てくる。対処できることがあると、次に進める。
一人で抱えていたら、ずっと「自分のせい」で止まっていた。
それでも続けた、本当の理由
しんどかった。本当にしんどかった。 それでも続けた理由を、正直に書く。
格好いい理由ではない。 「夢のために頑張った」とか「家族のために踏ん張った」とか、 そういう言葉でまとめられるものではない。
一番の理由は、「やめた先に、良いものが見えなかった」からだ。
転職活動をやめれば楽になる。 でもやめた先には、また前職の日々がある。 その日々に戻ることの方が、今の消耗より怖かった。 消耗には終わりが来るかもしれないが、 前職に戻ることには終わりがない。
もう一つの理由は、企画職への気持ちが消えなかったからだ。 しんどい夜でも、「企画職に行きたい」という気持ちは 揺らがなかった。 消えない気持ちが、動き続けさせてくれた。
しんどい時期は、必ず来る。でも終わりも、必ず来る
転職活動は、ずっと同じ強度では続かない。 しんどい時期が必ずある。 それは弱さではなく、当然のことだ。
しんどい夜に「やめようか」と思うことは、おかしくない。 やめなかった理由が一つでもあれば、次の朝は来る。
私の場合、「やめた先に良いものが見えなかった」という理由だった。 それで十分だった。 格好いい理由でなくていい。 続ける理由が一つあれば、動き続けられる。
あの深夜から数ヶ月後、「ここだ」と思った面接があった。 しんどかった夜の記憶は、今でも残っている。 でもその記憶は、転職して良かったという感覚を、 より確かなものにしてくれている。
しんどい時期を乗り越えた先に、 初めての企画が世の中に出た日があった。 あの夜がなければ、あの日もなかった。
しんどい時期こそ、エージェントに話してほしい。 落ちた理由を一緒に分析してもらうことで、 「すべて自分のせい」という感覚から抜け出せる。 リクルートエージェントは、こういう時にも丁寧に対応してくれた。


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